205 杉山の真意
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豆の木の巨人は三河口と共に木の上の自宅に戻る。木は縮み、元の豆に戻った。マリエルは豆を本に戻し、マザー・グースの鵞鳥で逃げようとした。
「逃がすか!」
杉山がまたレーニンの姿になった。
(剣を取り返す為に私ごと三河口君を殺す気ね・・・!!)
「貴様は生かさんぞ!」
レーニンの手から風が発生した。その風圧がマリエルを襲う。
「くう!」
リリパット王国の小人達がマリエルの盾となる。しかし、呆気なく倒され、消えてしまう。
(・・・はっ!)
しかし、マリエルは次の予知が訪れた。誰かが強制にでもこの地から離す事を。その予想通り脳内に声が聞こえた。
『こちら青葉政美。マリエル、瞬間移動させるよ』
「うん、お願い!」
マリエルの姿が消えていく。レーニンはあと一歩で剣を奪い返した物を捕らえ損ねた結果となった。
「よくも・・・、許さん!」
レーニンは杉山に八つ当たりする。
「何故に出てきおった。剣を取られたではないか!」
杉山は答える。
「でも、お前は強くなれたじゃねえか。俺もそんな気がするぜ。安心しろ。最後に勝つのは大将になった俺だからな」
なお、この時杉山の真意を聞いた者は三河口とマリエル、およびレーニンとマリエルが本から出した者達のみである。
大野は長山に連絡した。
「こちら大野!長山、今、安藤りえが狐に変身する女に連れ去られてるのを見た。山田の攻撃で女はやっつけたが、巻き添えを喰らったかもしれん!お前の眼鏡で確かめてくれるか!?」
『こちら長山だけど、そんな事があったのかい!?兎に角調べるよ!』
長山も大野の報告を受けて驚愕気味な反応だった。かよ子はオロオロしていた。
「どうしよう・・・。あの女の人を倒したと一緒にりえちゃんまで殺したら、私、最低だよ・・・」
かよ子は自己嫌悪していた。りえも自分と同じく杉山に好意があるように思っていたが、いくら恋敵でも殺生まではする気ではなかった。
「私、最低だ・・・。杖を持つ資格、ないよ・・・」
その時、長山から返事が来た。
「見えたよ。その安藤りえって子。馬に乗った女の人に乗せられてるよ!」
「え・・・、大丈夫だったの!?」
「恐らく勝てぬと思い、撤退したのであろうな」
石松は推察した。
『確か、その子が杯の持ち主だったんだよね?』
「う、うん・・・」
『その女の人が杯も持ってるんだ!それからその人もまた藤木君がいる所と同じ方角に向かってるよ』
「・・・え!?」
「サンキュー、長山!」
通信を終えた。
「山田かよ子、何れの目的にせよ、行く先は一つだな!」
「・・・うん!」
かよ子は藤木の奪還の為、そしてりえと杯を取り返す為、二つの目的の為に東北東の方角へ動き出す。
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