第二幕その五
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「街に入りますと」
「宮殿まで入られるんだ」
「案内してもらえます」
そうなるというのです。
「ですから」
「これからだね」
「どうでしょうか」
「では頼むよ」
王子は兵隊さんの提案に笑顔で応えました。
「その様にね」
「わかりました、それでは」
「宜しくね」
「そうさせて頂きます」
こうお話してでした。
兵隊さんはすぐに王宮の方に連絡しました、そうして一行が城門を開くともうその前に一台の馬車がいました。
そして緑の詰襟の制服と白い乗馬ズボンに緑のブーツの御者の人が控えていて一行に笑顔で声をかけてきました。
「ではこれからです」
「王宮までだね」
「案内させて頂きます」
「それではね」
「あの、僕達王宮に何度も来ていますが」
カルロスが言ってきました。
「馬車に乗る機会はちょっと」
「最近はなかったです」
ナターシャも言ってきました。
「何か最近はいつもまずは都に出ていましたから」
「ですから」
恵梨香も言います。
「最近はです」
「ですがこうして馬車に乗せてくれるなら」
神宝も言います。
「嬉しいですね」
「この馬車恰好よくて乗り心地がいいんですよ」
ジョージも言います。
「ですからここはです」
「そうね、お言葉に甘えてね」
王女も笑顔で応えます。
「乗せてもらいましょう」
「それじゃあね、しかし馬車まで用意してくれるなんて」
王子はしみじみとした口調で述べました。
「流石オズマ姫だね」
「細かいところまで気が付いてくれて」
王女が応えました。
「そうしてよね」
「うん、気配りをしてくれるから」
「誰にもね」
「いつもね」
「オズの国の全ての人達にね」
「だからね」
それでというのです。
「僕達にもだね」
「こうしてくれるわね」
「それなら」
王子は言いました。
「今回はね」
「ええ、馬車に乗せてもらってね」
「王宮まで連れて行ってもらおう」
「それがいいわね」
「そうだね、まさかね」
王子はしみじみとした口調でこうも言いました。
「都の外で休むつもりだったのに」
「宮殿まで案内してもらうなんてね」
「思わなかったよ」
「そうね、兵隊さんも機転を利かせてくれたし」
「よかったよ」
「城壁の外で休んでもらう位ならです」
御者の人が言ってきました。
「それならです」
「それなら?」
「それならっていうと」
「はい、中に入ってもらって」
城壁の、つまり首都の街の中にというのです。
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