第十八話 やり取りをはじめてその九
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「偉くなくてね」
「その人を嫌になるわね」
「そうよね」
「それって誰にもいいことになってないわね」
一華はそれならと言った。
「もう」
「そうよね」
「聞く方が嫌になってね」
「言う人も嫌われて」
「誰も得してないわね」
「だからそうしたこと言う人はね」
「幸せになれないのね」
かな恵に対して問う様にして言った。
「そういうことね」
「それで悪いこと言ってると人相もね」
「悪くなるのね」
「あの野党の女性議員さんで黒髪をショートにした白い服の」
「あの人ね」
「あの人なんてそうでしょ」
「どんどん人相悪くなってるわね」
一華はここでその女性議員の顔を思い出した、いつも睨んでいて怒っている感じのその人相をである。
「そういえば」
「しかも嫌われてるでしょ」
「碌なこと言わなくてそれで何もしないからね」
「ああいう風になるから」
それでというのだ。
「あの人もね」
「幸せになれないのね」
「そう思うわ、笑う門には福来たるとも言うけれど」
「いいことを言ってると好かれる?」
「そうかもね、嫌なこと言ってると福が逃げて」
「笑ってると来るのね」
「いいこと言ってるとね」
それならというのだ。
「そうじゃないかしら」
「ううん、そう聞くと幸せってやっぱり」
「近くにね」
「一杯あるわね」
「そう、それで幸せな気持ちになったらね」
そうなればというのだ。
「尚更ね」
「幸せになれるとか?」
「そう、幸せは寂しがり屋だから」
「それでなの」
「幸せが沢山あるところにね」
そこにというのだ。
「集まるってね」
「おばさん言ってたのね」
「だからお母さんいつも笑顔でいなさいって私にも明男にも言ってるのよ」
「そうなの」
「ええ、ただ最近明男って」
弟について少し苦笑いになって述べた。
「やっぱりね、中学生だからいやらしいことにね」
「興味あるのね」
「昨日お部屋の前で息荒かったけれど」
「それ多分してた時ね」
留奈が察して彼女も少し苦笑いになった。
「そういうことをね」
「やっぱりそうよね」
「それで後で、でしょ」
「何かすっきりしたね」
そうしたというのだ。
「明るい笑顔だったわ」
「間違いないわね」
「そうしたことしても幸せになれるの」
「少なくとも溜まったままだとね」
留奈はかなりダイレクトに言った、もうこうしたことは隠しても意味がないと思ってそれでそう言ったのだ。
「よくないでしょ、それでしたらね」
「すっきりして幸せになれるの」
「気持ちいいみたいよ」
「そうなのだ」
「終わった時はね」
「それで明男もなのね」
「もうね」
留奈はかな恵、彼の姉に話した。
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