暁 〜小説投稿サイト〜
『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
馬-わがはいはうまである-
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「ああ、こんな馬を貰って本当に良かったんだろうか。」

この世界には、サーヴァントと呼ばれる人間のパートナーがいる。
やや難しい関係であるらしいが、特にこのムサシはよく分からない。

変な態度をとったり、ついこの前までは私の背中に乗ることを拒んだりした。
馬が嫌いという訳では無いらしく、どうやら彼に密着するのが小っ恥ずかしいそうだ。
なんで知っているかと言えば、前に休憩している時に主人のいない間に私にそう言ったからだ。

馬だからといって人語が理解できないと思っているのか、残念。きちんと分かっている。
そして人間というのは難しい。
子を成すことに大分面倒な過程があるらしいというのはわかっている。
それは大層難しく、そしてまた面倒臭いものなのだとか。

好きなら好きでとっととおっぱじめて子を成せばいいものを。
ちなみに私は人間で言う女だ。牧場で私を夢中にさせる男はいなかった。
貧弱者ばかりだったからな。


「荷物を届けに来た。それと厩舎はあるだろうか?」


ある小さな町にたどり着き、主人は仕事をこなす。
主人は物を届ける仕事をする。
前は自分の足でやっていたらしいが、私という馬を手に入れてからはぐっと仕事の効率が上がったと褒めた。

そうして街の見張りと会話を交わしたあと、私は手綱を引っ張られ厩舎へと連れられる。
主人と離れるのは心寂しいが、馬には馬の場所、人間には人間の場所がある。仕方がないのだ。

「…。」
「どうだ?オロバス。」

それから私は主人とムサシに身体を洗ってもらう。
主人はよく、私に話しかける。
私は人語を理解できるが人語を交わすことはできない。
それなのに主人はあたかも人間と話すかのように私に言葉を投げかけるのだ。

「ぶるるっ!」
「きもちよさそうでなにより。明日もよろしくねオロバス!」

ムサシもだ。


?

ムサシと主人。
2人は恋仲である。
子は成さないが、とても親密な仲だ。
よく2人で景色を見たり、私の背中で揺られながら他愛もない話をしている。
主人はあまり感情を表に出さない人間ではあるが、ムサシと話すのはかなり楽しいそうだ。

で、そんな仲を邪魔する奴がいる。
恋路は思ったよりも悪路というか、前途多難というか

「止まれ。宮本武蔵。」
「チッ…。」

主人があからさまに聞こえるよう舌打ちをした。
走る私を阻んだのは数台の大きな車と白いスーツの男。

私はこいつを知っている。
あれから何度も邪魔をしてきた白い男だ。
こいつもサーヴァントを連れており、強さに絶対の自信をもっているそうだが生憎私はそうは思わない。

「何の用だ。」
「なんだその顔は。名前を覚えてもらっただけ有難いと思っていただきたいの
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