第四十七話 思わせぶりな態度その十二
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「学んでいます」
「占いをすることも大変なんですね」
「お仕事については」
ここでもだ、速水はこう言った。
「そうです」
「そうですか」
「そしてです」
「それで、ですか」
「私はです」
「今もですか」
「この東京を中心にお仕事をしています」
咲の目をその右目で見て話した、左目もそうしているがそちらの目は咲には髪の毛で隠れて見えていない。
「そうしています」
「結界が幾重にも張られた街で」
「そうです、東京は結界のこともあり」
それでというのだ。
「魅力的な街なので」
「いい街ですか」
「そう思います、魔都と申し上げましたが」
それでもというのだ。
「魔都には妖しい魅力があるのです」
「妖しい、ですか」
「はい、そうした魅力に満ちていて」
そうしてというのだ。
「一度その実を知ると離れられなくなります」
「そうした街ですか」
「ただその実は一面ではありません」
咲に口元を綻ばせて述べた。
「様々な面があります」
「そうですか」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「小山さんも東京の魅力だと思う面を見て」
「その実をですね」
「そうしてそのうえで東京を好きになって下さい」
「ここは私の生まれた場所で」
それでとだ、咲は速水に答えた。
「よく知っていて馴染みがあって色々楽しい場所にある」
「そうした意味で、ですか」
「大好きな街ですが」
「それならそれで、です」
咲のその言葉を肯定して答えた。
「いいです」
「そうですか」
「はい、それはそれで」
「じゃあこのままですか」
「好きになってです」
そうしてというのだ。
「愛されるといいです」
「東京を」
「この街はそれだけの価値があるのですから」
「好きになって愛されるだけの」
「それだけの魅力がです」
「備わっている街ですか」
「まさに」
こう言うのだった。
「そのことは間違いないです」
「そうですか」
「ですから」
それでというのだ。
「東京も見ていって下さい」
「そうしていいですね」
「東京の各地を」
「渋谷とかだけじゃなくて」
「狭いですが様々な場所がある街ですから」
だからだというのだ。
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