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イベリス
第四十七話 思わせぶりな態度その九

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「実に、幾ら人が技術や文明を発展させてもです」
「神仏には及ばないですか」
「その域には至れません」
 とてもというのだ。
「そしてその実証を科学なりでしようとしても」
「出来ないですか」
「そうです」
 まさにという言葉だった。
「そうしたものです」
「人間ではわからないんですね」
「実証は出来ないでしょう」
「そうなんですね」
「まことに人間の力や微々たるものです」 
 どれだけ発展しようともというのだ。
「バベルの塔もです」
「あの神様に壊された」
「実は神が壊さずともです」
 聖書ではそうである、そしてこの時の神罰で人間は様々な言語を使う様になり相互理解が出来なくなったという。
「あの塔はやがてはです」
「壊れていましたか」
「あまりにも高い塔を築いても」
 そうしてもというのだ。
「地震や突風、落雷がありますね」
「火事もですね」
「現代でもあまりにも高いとです」
 そうであるならというのだ。
「その心配があります」
「それが古代だとですか」
「やがてはです」
「災害で壊れていましたか」
「若しくは高くなり過ぎて」
 そうしてというのだ。
「自らその高さと重さに耐えきれず」
「崩れていたんですね」
「神の傍に至る前に」 
「そうなっていたんですか」
「キリスト教の髪はその不遜に怒ったといいますが」
 だからこそ塔を崩したのだ。
「しかしです」
「所詮はですか」
「人間の力では神に至ることなぞ出来ないですから」
「無理なんですね」
「死んで祀られて」
 そうなってというのだ。
「はじめて人は神になります」
「日本ではそうですね」
「先程お話した靖国の英霊の方々もです」
「護国の鬼で怨霊にもなり得て」
「そして神でもあるのです」
 日本を護るそうした存在でもあるというのだ。
「人は生きている間は人ですが」
「死んで、ですか」
「神になります」
「そうですか」
「はい、ですから」 
 それでというのだ。
「生きている間は決してないので」
「あの塔も壊すことはなかったですか」
「放っておけばです」
「よかったんですね」
「どうも聖書特に旧約の髪は厳格ですから」
 そうした存在でというのだ。
「すぐに神罰が落ちます」
「何かそうみたいですね」 
 咲は旧約も新約も聖書は読んだことがない、だが創作の中でよく出て来るのでそこから内容も結構知っていてこう言ったのである。
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