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冥王来訪
第二部 1978年
ソ連の長い手
首府ハバロフスク
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しかも無傷に近い形で行わねば、軍は維持できない……」
持っているタバコを左手に持ち替える
「その様な事を出来る存在……」
右手で、彼女の上着の前合わせを掴んむ
驚く間もなく、胸を(はだ)けさせる
肌着越しに乳房に、掌で包むように触れる
満面朱を注いだような表情を見て愉しむ
「この世界に在って、為し得る人物とは、誰か」
彼女は、右手を除けると、後ずさりする
胸を両腕で覆って、含羞(はにか)む様を見ながら、続けた
「次元連結システムから繰り出す無限のエネルギーを持つ天のゼオライマー。
その操縦パイロットの木原マサキ」
顔を、左耳の方に近づけ、囁く
「この俺を置いて他にはおるまい」
彼女の紅潮させた頬を食指でなぞり乍ら、焦点の合わない瞳を見つめる
新しいタバコを取り出して、火を点ける
「この賭け勝負……、どの様な結末に為ろうとも俺は負けぬようには考えてはある。
久々にスリルを味わおうではないか」
そう述べると不敵の笑みを浮かべ、ゆっくりと腰かけた
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