暁 〜小説投稿サイト〜
DOREAM BASEBALL 〜夢見る乙女の物語〜
戦略家
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線が彼へと集まる。注目の的になっている彼はそれに気が付いていないのか、呑気にコーヒーを口に含んでいた。
「初回の攻防次第って……理沙はここまで無失点なんだぞ」
そう易々と点を与えないからこそ王者として君臨し続ける東英学園のエースの地位を確立させている。その事をよくわかっている真田がそう言うと、青年はクスクスと笑っていた。
「向こうのブロックは強い高校がほとんどなかったからねぇ。でも、常成はどうかな?」
ニヤリと笑みを浮かべる青年に真田は何かを感じていた。しかし、それが何なのかわからなかった彼はその場で試合を黙って見ていることしかできなかった。
莉愛side
『一回の表・東英学園の攻撃はーーー』
整列が終わり守備に着くのは常成学園。そのマウンドには背番号10の右投手がいた。
「あれ?エースじゃない?」
「今年の常成は左右でエース争いしてた二人が背番号を分けあったらしいよ」
「だからどっちが先発しても見劣りしないらしいよ」
継投でも戦えるし一人でも投げ抜ける力をそれぞれが有しているらしい。この試合は前の試合でも先発した
上原
(
ウエハラ
)
さんが調子が良かったこともあり先発なんだと予想してる。
「球種はストレートにスライダーとチェンジアップ。どうやって東英打線を相手にするのかな」
準決勝もあるけど、勝てば春に苦汁を舐めさせられた東英を相手にしなきゃいけない。球種は違うけど系統は瑞姫に似てるし、どんな配球をするのかしっかり見ておかないと。
先頭打者は左打者の大山さん。まずはどうやって入っていくのかと思っていると、その初球……
「!!」
タイミングを計ろうと踏み込んだ大山さんだったが、まさかのチェンジアップに棒立ち状態。やりたかったことをやれずにストライクを一つ取られた形に苦笑いを浮かべていた。
「いきなりチェンジアップ……」
「これは予想できないよね」
チェンジアップは緩急を付けタイミングを外すための球種。それを試合開始早々に投げてくるなんて予想できるはずがない。
「となると次はストレート?」
「かな?」
緩の後は急。これがセオリーではあるけどそれに大山さんはどう対応するのかと見ていると……
「なっ……」
二球続けてのチェンジアップ。しかし今度は大山さんも振っていきライト方向へ大きなファールを放つ。
「二球連続?」
「まさか三球目もある?」
そんなバカなと思いながらももしかしたらという気持ちが出てしまう。でも、その感情を引き出すことが目的なのだと次の投球で思い知らされた。
ガキッ
一転してストレート。前の二球で迷いが生じたのか、中途半端なスイングで大山
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