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ダイの大冒険でメラゴースト転生って無理ゲーじゃね(お試し版)
最終話「そして、俺は」
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ち回る。

『ごめん、二人とも。俺はもう戦えそうもない』

 そんなことを言って気絶するつもりだったのに、計算違いだ。どうして、なんで、こんな目に。

『あぁ』

 のたうち回るうちに、体にちから が はいらなく なって きた。はどらー の ぜっきょう が とおい。いたい のに いしき が とおく。

(けど)

 この けが なら、おれ、もう ぼうけん しない、すむ。

◇◆◇

(それだけが慰めだった筈なんだけどなぁ)

 気が付いた俺は地面に寝かされ、喜びの声をあげるダイやポップ、それにきめんどうしに囲まれていた。

「じいちゃんが治してくれたんだよ」

 気がつけば目も見える様になっているどころか欠損したはずの腕までちゃんとあって、ダイに問うて返ってきた答えがそれだ。

(あるぇ?)

 俺の覚悟は、痛い思いは、過酷な修行は何だったんだろうか。

「ったく、心配かけやがってメラ公め」

 そっぽを向いた兄弟子は若干涙声ではなをすすり。

(ひょっとしてこれ、問答無用で俺って旅の仲間入り?!)

 いや、そんな筈はない。俺にはまだ魔王の意思の影響で凶暴化するかもしれないという問題が残っていたはずだと最悪の未来を否定し。

「ほらよ、これは先生からだ。卒業のしるし、コイツだけは火に強くて、かけてるやつにあのマホカトールの呪文と同じ効果を与えるんだとよ」

 否定材料はポップが突き出してきたペンダントが木っ端みじんに打ち砕く。

『師匠』

 いや、俺専用っぽいということは原作の誰かの分を奪うようなことにはならないんだろうから、その点はいいけれども。

(有難迷惑って言ったらフルボッコにされるよなぁ)

 俺の視線は思わず遠くなり。

「先生よ、言ってたんだよ俺に。『メラゴースト君のこと、よろしく頼みますよ』ってな」

 俺が空に視線を向けたのを別の意味合いにとらえたのか、兄弟子は語りだす。いや、確かにへましまくって凹みまくってはいましたけれども。

(これ、今更ここに引きこもりますとか言えない流れだ)

 本当にどうしてこうなった。空を仰いだままの俺を置き去りに、空へ浮かべた師匠へと兄弟子と弟弟子が語り掛け始める。

(合体しててよかった)

 分裂したまんまだったら、残った俺は俺を詰るだろう。総ツッコミを受けなかったことがせめてもの救いだった。

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