暁 〜小説投稿サイト〜
ダイの大冒険でメラゴースト転生って無理ゲーじゃね(お試し版)
最終話「そして、俺は」
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『受けてみろ、ハドラー! これが俺の
近接消滅呪文
(
メラガイアー
)
だッ!』
ついに、俺はここにたどり着いた。長かった。そもそも俺がこの呪文を編み出したのには訳がある。まず、大魔王討伐の旅からフェードアウトするためには、旅について行かない理由が必要であることから、自身もダメージを負う技でなくてはいけない。かつ、ただの自滅では流石に師匠にもポップやダイにも申し訳ないし、魔王ハドラーにダメージを与えられる技でなくてはいけなかった。
(とはいうものの、俺にハドラーの強さなんてわからない。原作の漫画に勇者一行のステータスなら時々出てきてたみたいだけど)
ゲームなら戦う敵の弱点だとか、こういう系統の呪文には耐性があって効き辛いみたいなデータがネットを調べれば攻略サイトとかにあるが、漫画が原作じゃその辺りも微妙だ。参考にできそうなのは師匠が放った呪文の結果だけれど、俺が覚えてたのは、師匠の自己犠牲呪文でも死ななかったことぐらいだ。
(これは俺の原作知識の方があやふやなせいだけど、まったく参考にならねぇ)
こうして、呪文の場合どれが効くのか全く分からず、かといって腕力はお察しな俺に物理攻撃なんて手段をとれるわけもなく。まず間違いなく効きそうで、自身も相応に被害を受けるモノを探した結果、唯一条件を満たしたのが、この近接消滅呪文だったという訳だ。当たったモノを問答無用で消滅させ、怖いのは反射呪文のみという原作でもかなりの強呪文。原理が漏れて敵に使われることだけは避けないといけないから、敢えてこの世界にはないメラゾーマの更に上の呪文名を口にした。
(使ってる俺がメラゴーストなのだから、誤解させる偽の手掛かりとしては十分なはず。これで、俺は)
呪文によって片腕を失い、ハドラーにもダイがつけるのよりささやかな傷をつけ、一矢報いたって感じで、大魔王を討つ物語から名誉の負傷によるフェードアウトをするのだ。俺は企みの成功を確信し。
(って、あれ? マイナスの魔法力大きすぎない?)
犠牲にする片腕に集めた魔法力に意識を向け訝しむ。俺はほどほどに怪我をする程度の魔法力を使ったはずだった。にもかかわらず、予想よりもヒャダルコの魔法力は大きく、吸い込まれるようにして俺の身体はどんどんとマイナスの魔法力と一緒になってゆき。
(ちょ、待って! これ、俺まで消えちゃ)
慌てて魔法力を調整するが、時すでに遅し。俺の身体の四分の一を喰らい、更に大きくなりつつある魔法はもう留められず。
(ちくしょーっ)
こんなはずではなかったと思いつつぶつけた呪文が、俺の意識をも呑み込んで。
『ぎゃあああっ』
意識を失ったと思った俺は即座に闇の中から引き戻された。痛い、痛い。片方の目も見えないし、痛みで訳が分からずのたう
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