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ダイの大冒険でメラゴースト転生って無理ゲーじゃね(お試し版)
十六話「パプニカへ」
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「二人とも、陸地が見えて興奮するのもいいですがもうすぐ上陸です。上陸の隙をついてモンスターが襲ってくることがあるかもしれませんし油断は禁物ですよ」
「あ、はい」
師匠にたしなめられ、兄弟子が申し訳なさそうに頭を下げるのを隣に上の空だった俺もすみませんと頭を下げる。
「わかってもらえればそれでいいです。私はこの小舟を漁村まで返しに行かないといけませんからね」
「へ? あっ、ルーラっスか」
一瞬あっけにとられつつもすぐに答えに思い当たる当たり、流石魔法使いと言うべき何だろう。俺がどういうことかを理解する前にポップの口にした答えに師匠は正解ですと頷くと、小舟が浜に上陸するや否や、濡れたままの小舟を担いで瞬間移動呪文であるルーラの呪文で空へと飛び立っていった。
「やっぱすっげぇな、先生は」
ぽかんと空を見上げる兄弟子に俺は同意するしかなく、師匠が空を飛んで戻ってきたのは、しばし後のこと。
(そう言えば、こっちのルーラの呪文は村や町みたいな特定の場所だけじゃなくて記憶してる場所にも飛べるんだっけ)
ずいぶん使い勝手が良いなと心から思う。
「さて、これからいくつかの村を経由してパプニカのお城へ向かう訳ですが……船上では十分な修行はできませんでしたからね。その遅れも取り返す意味でも――」
「せ、先生それってまさか」
そして、俺が感心してる間に口を開いた師匠の言の途中でポップが顔色を変え。
「まさか?」
「あ、いえ、特別ハードコース、とか?」
「いえいえ、後れをとり返すためとはいえコースの変更まではいきませんよ」
問い返されて恐る恐る口にしたモノを師匠はかんらかんらと笑い飛ばし。
「ああ、ですがお望みならコースを変えても構いませんよ」
「じょ、冗談じゃないッスよ!! おれは通常の特訓で十分ですからっ!!」
にこりと笑いかける師匠にぶんぶん手を振る兄弟子を見て、俺は原作にもこういう展開があったなぁとふと思い出していた。
「では、メラゴースト君。貴方はどうします?」
「え」
ただ、俺としてはこの時予想しておくべきだったのだろう。師匠がこっちにも話を振ってくることを。
(うん? けど、これってひょっとしてキツいコースの名目でポップを遠ざけて、色々質問とかする機会を設けてくれたってことなんじゃ)
反応は遅れたが、遅れたからこそ一瞬考えることができ。俺は頷きを返し。
「ゲゲっ」
こいつマジかよ的な顔を兄弟子に向けられる中、師匠を見返して。
「ナイスガッツです。では、早朝と夕方も特訓ですね」
「E?」
師匠の意図を読み違えたことに俺が気づいたのは、もはや手遅れになってからのことだった。
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