暁 〜小説投稿サイト〜
ダイの大冒険でメラゴースト転生って無理ゲーじゃね(お試し版)
十五話「船に揺られて」
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「おっと、ここまでのようですね」
漁村が俺の想像するより近かったのか、兄弟子の身体能力が高かったのか、ポップが戻ってくる姿が見えたところで師匠の言葉に頷いた俺は師匠にも手伝ってもらって砂の上の文字を消し始めたが、書けたことはそれほど多くはなかった。物語として書き出した勇者の故郷アリアハンには、ルイーダの酒場に職業登録所、メダルを集める井戸在住のオッサンなど特筆しておくこともたくさんあったからだ。
「先生、ただいま戻りました」
「ごくろうさま、その様子ですと私の記憶に間違いはなかったようですね」
師匠の言葉を首肯した兄弟子は、付近を通る船舶の為か古びた灯台があるとも話し。後にこの灯台に備え付けられていた古い大きなランタンを譲ってもらって師匠達が戻ってくることになるのだが、俺はまだ知る由もなく。
「では、メラゴースト君はここで待っていてください」
師匠にそう言われ頷きを返した後は、砂浜で時間の有効活用に瞑想を始め。
◇◆◇
(戻ってきたと思ったら、師匠は小舟担いでるし、ポップはでっかいランタン背負ってるし)
その後、師匠の背負ってきた小舟で海に漕ぎ出し、今に至るという訳だ。
(この海を越えたらホルキア大陸だっけ?)
この世界にはギルドメイン大陸、ラインリバー大陸、マルノーラ大陸、そしてホルキア大陸と言う四つの大陸と死の大地と呼ばれる陸地からなる。俺がしっかり名前を覚えていたのは、本州モチーフであろうギルドメイン大陸のみ。元の日本列島とは配置が違うが、ラインリバーが九州、マルノーラが北海道で、ホルキアはおそらく四国モチーフの大陸なのだと思う。
(そして、ホルキア大陸にあるのがパプニカの国、かぁ)
原作を知るが故にこの世界の国は大魔王の軍勢に滅ぼされたり甚大な被害を受けることを俺は知っている。だが、今の俺はメラゴーストで、軍勢を構成する末端のモンスターにすら勝つのは難しいだろう。
(仮に何とかできるぐらい強くなったとしても、原作崩壊を引き起こすと強くなった俺でもどうしようもない強敵が前倒しして出てきて詰むのが目に見えてるしな)
未来を知って、それでいてどうにもできない状況は俺をモヤモヤさせる。
(パプニカについたら分裂して俺をどこかに潜ませておこうかな? いや、分裂して潜ませておいたとしても魔王の意思の影響を受けてパプニカの人に襲いかかってむしろ被害を増やすだけか)
今の俺だとあっさり返り討ちに合いそうな気もするが、それはそれだ。
(魔王の意思の影響についてはそれとなく師匠に聞いておいた方が良いよな)
影響をはねのける破邪魔法の存在があるからこそ師匠が俺を受け入れてくれた可能性はあるが、もし他に魔王の意思に呑み込まれない方法があるなら、取れ
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