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東方絆日録 〜 Bonds of Permanent.
共存編
天空の狂詩曲(ラプソディー) 〜 時に切なく、シリアスに
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、貿易商の不振も手伝って徐々に家計が苦しくなっていく。母は蒐集を止めるよう何度も進言したが父は一向に聞く耳を持たなかった。

やがて金銀が底を尽いた。それでも父は借金をしてまで蒐集を続けた。そのさまは、まるで何かに取り憑かれたかのようだった。
母はそんな父に愛想を尽かして家を出ていく。同時にそれは悲劇の始まりでもあった。

初めのうちこそ物珍しさから大勢押し寄せていた見物客もやがて飽きたのか次第にその数が減っていき、かわって今度は取り立て屋が一日に何人も家に来るようになった。
取り立て屋が来るようになってようやく父は事の重大さに気づき蒐集を止めたものの、もう後の祭りだった。

母が家を出てから3ヶ月後に大赤字に陥っていた貿易商がついに倒産。さらにその1ヶ月後、家の運命を揺るがす大事件が起こる。
なんと、父が今まで蒐集してきたコレクションが「家宝」を除いて全て盗まれてしまったのだ。
絶望の淵に立たされた父は家宝の一つであった刀で腹を切り自殺する。


両親がいなくなったことで身寄りがなくなった4人の姉妹はそれぞれ別々の家庭に引き取られることになったが、四女のレイラだけは『家族との楽しい思い出を忘れたくない』とこれを拒否し、引き続き無人となったプリズムリバー邸に住み続けた。

やがて彼女は一人残された寂しさを紛らわすため、家庭崩壊の遠因となった家宝でありマジックアイテムでもある天叢雲剣(あめむらくものつるぎ)八咫鏡(やたのかがみ)八坂瓊勾玉(やさかにのまがたま)の力を使って3人の姉そっくりの騒霊(ポルターガイスト)を生み出す。

騒霊は初めのうちはただの幻影・幻聴に過ぎない存在だったがやがてレイラと会話ができるようになり、ついには実体化して自我を持つまでになった。


その後、旧プリズムリバー邸はレイラや騒霊ともども幻想入りした。
そして月日は流れ、老婆となったレイラは3人の「姉」に見守られながらその命を全うしたのだった。ーーーーーー




メルラン「ーーー私たちの大切な妹であり、また生みの親でもあるレイラが天に召されたときは本当に悲しかった。だけど『騒霊として生まれたのだからせめて騒霊らしく生きようじゃないか』という話しになってね、それで楽器の演奏技術を習得してチンドン屋を始めたの。そのチンドン屋を十数年前に“プリズムリバー楽団”に改組して現在(いま)に至るというわけよ」


目に涙を浮かべたメルランが話しを終えると、しばらく静寂がその場を支配した。


(西)「……お三方にはそんな過去があったんですね。辛い記憶を思い出させてしまい、すみませんでした」


どれほど経っただろうか。(西)がようやく口を開いた。


リリカ「ううん、大丈夫。レイラとの楽しい思い出はたくさん
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