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東方絆日録 〜 Bonds of Permanent.
共存編
敏久:帰宅
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※敏久視点


太陽の畑を後にしたのは陽が暮れ始めた16時ごろだった。
冷たい木枯らしが吹く度に積もった落ち葉が巻き上がって俺たちに降りかかる。幻想郷の気候は鳥取とさほど変わらないのではないか。

人里へ向かう一本道でルーミアがへなへなと座り込んでしまった。


ルーミア「うあー、おなかすいたのだー」


ルーミアの弱々しい声を聞いたとたん、俺はとてつもない空腹感に襲われた。


敏久『ぐあー、腹減った…。ZUNさん、何か食べ物ありませんか?』

ZUN「ないんだな、それが」

ルーミア&敏久「「な、なんだってー??」」


思わずルーミアとハモってしまった。


ZUN「お酒じゃ腹は膨れないし…さてどうしようかねえ」


俺はまだ余裕があるが、ルーミアは完全に物体と化しておりもう一歩も動けそうにない。
万事休す。その言葉がまさにぴったりくる状況だった。

ーーーそのとき、不意に後ろから声をかけられた。


?「君たち、お腹が空いているのかい?」


声に振り向いて驚いた。


『うわ、あんぱんの人だ…』


もうお分かりだろう。「愛ちゃん」と「勇気くん」だけしか友達と認めない、食べても美味しい正義のヒーロー。
そんな彼がなぜ都合良くここにいるのか分からないが、とにかくこれで救われたと思った。


あんぱんの人「僕の顔を分けてあげよう。さあ、どうぞお食べなさい」



ーー
ーーー


結局、皆で顔を全て食べてしまった。
焼き加減バツグンの「表皮」も粒あんたっぷりの「脳みそ」も、甘味と塩分のバランスが絶妙でとても美味しかった。


ZUN「ありがとうございました、美味しかったです!」

ルーミア「ありがとー!」

あんぱんの人「いえいえ、喜んで頂けたのなら食べられた甲斐があるというものですよ。それではまたお会いしましょう」


食べられて顔が無くなったあんぱんの人(正確には服に描かれた顔)はそう言うとどこかーーー恐らくジ○ムおじさんのパン工場ーーーへ飛び去ってしまった。
……どうやって前を見ているのか不思議でならないが。


『ZUNさん。あんぱんの人、美味しかったですね』

ZUN「うん、優しい味だったね。さすがは正義のヒーローだ」

ルーミア「正義のヒーローなのかー」


ともあれ、俺たちはこれで元気を取り戻して無事に人里へ帰ることができた。



ーー
ーーー


人里でZUNさんやルーミアと別れ、博麗神社に着いたのは18時を少し過ぎたころだった。


『ただいま』


霊夢は縁側で寝ていた。
冷めたお茶や食べかけの煎餅があるところを見るに日向ぼっこの最中だったのだろ
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