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東方絆日録 〜 Bonds of Permanent.
共存編
敏久:〇〇との出会い
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けた。それは会えるようで滅多に会えない人だった。

その男性は痩せた体躯をしていて黒縁のメガネをかけている。
茶色い着物を着て下駄を履いているのだが、被っている花柄のハンチング帽だけが目立って帽子だけ妙に浮いたような格好になっていた。
手には瓢箪を持っており、時々それを傾けて中の液体(恐らくは酒)を飲んでいる。

敏久から見ると彼は神のような存在だった。その人物の元に歩み寄って恐る恐る声をかける。


敏久「すみません。あの、ひょっとしてZUN(ずん)さん・・・ですか?」


“ZUNさん”と言われたその人はしばらく敏久を見つめ、やがて答えた。


ZUN「いかにも。私が“ZUN”こと太田(おおた)順也(じゅんや)ですが貴方は……?」

敏久「私は松上敏久といって、博麗神社に居候している外界人です」

ZUN「ああ、君が新聞に出ていた松上君か」

敏久「幻想入りする前からファンなんですよ!よろしくお願いします??」

ZUN「そうなんだ、嬉しいよ。こちらこそよろしく」


とりあえず握手した。


敏久「いやはや、まさか神主に会えるとは夢にも思わんかったわあ!」

ZUN「“神主”ねえ…。悪いんだけど幻想郷(ここ)ではその呼び名を使うのはやめてくれるかな?」

敏久「あれ、どうしてですか?」

ZUN「この小説の世界観を壊したくないからだよ。この小説における幻想郷は“原作とは別次元の幻想郷”という設定だからね。それに僕も一人のモブキャラとしてこの世界を楽しみたいし」

敏久「なるほど」


メタ発言でも発言がスキマ送りにならないZUN。
さすがは原作者である。


ZUN「“幻想郷では常識に囚われてはいけないのですね!”…か。まさかその幻想郷で東方Projectを知っている人と知り合うとはねえ……ンフフ」


ZUNはそう呟いて酒を呑む。やはり無類の酒好きらしい。


ZUN「松上君、どうだい?君さえよければ僕がこの幻想郷を案内してあげるけど」

敏久「本当ですか?? ぜひお願いします!」




ーーー千載一遇ともいえるこのチャンスを逃すまいとばかりに敏久は深々と頭を下げたのだった。
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