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レーヴァティン
第二百四十四話 青森入りその十五

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「やはりでござる」
「民が辛くな」
「元々統一したばかりで秦への反発も強かったでござる」
「最初から好かれている国ではなかったしな」
「そこで民に負担をかけ」
「始皇帝が死んではな」
「叛乱もでござる」
 それが起こることもというのだ。
「やはり」
「当然だな」
「流石に劉邦や項羽は予想外でござるが」
 こうした者達が出ることはというのだ。
「しかしでござった」
「叛乱は起こるべくして起こったな」
「始皇帝があの時死んだ時に」
 また次の皇帝胡亥の出来が悪く側近の宦官趙高があまりにも悪辣だった、秦は始皇帝が死んだその時が悪かったと言うべきか。
「そうでござった」
「そこに普請が関わっているのを見るとな」
「やはりでござる」
「気を付けることだ」
「例え必要な普請でも」
 政を見ればそうであってもというのだ。
「しかしだ」
「民のことは考えるべきでござる」
「それも念頭に置いてな」
「全くでござる」
「その通りだな、だが始皇帝はかなりだ」
 この人物はというのだ。
「俺達とは違うな」
「普請を好むこと以外でもでござるな」
「法を重視していることは同じだが」
 それでもというのだ。
「人間味がな」
「ないでござるな」
「それもかなりな」
「始皇帝は特別でござる」
 智は始皇帝についてこう答えた。
「あの御仁は」
「そうだな」
「暖かみがないというか」
「極めて冷酷だな」
「まるで機械の様な」
 そこまでというのだ。
「国の統治を求めた」
「法治によってな」
「英邁であったでござるが」
 統一してからの統治を見てのことだ、度量衡や貨幣、文字、道の幅を統一しそれからの中国の基礎を形成したことは確かに大きい。
「しかし全ての者を駒と見ている様な」
「そうした人間だったな」
「そうだったでござる」
「法治を徹底させてな」
「誰も信じず」
「そしていなくなってもな」
「何も思わなかったでござる」
「そうだったな、まさにな」
 英雄は考える顔で述べた。
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