暁 〜小説投稿サイト〜
DOREAM BASEBALL 〜夢見る乙女の物語〜
決戦前夜
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る。
(明宝との試合……総合力で言えば3対7でうちの負けだろう。でもなぁ、野球はその通りにならねぇから面白ぇんだよなぁ)
あらゆる物事において突き詰めれば突き詰めるほどその奥深さに触れることができる。カミューニの場合、それが野球に当たる。
(明日は四回に仕掛ける。それに向こうはエースがいないはずだからその前後にも2点くらいは取れるだろう。あとは失点をどれだけ削れるかだが……)
ベンチに腰掛けボールを弄っているエース。彼女の方を確認した後、ノックを打つための場所へと歩き出す。
(初回を2点以内に抑えられれば四回の得点だけでも十分勝てる。後は今まで通りの攻め方で勝つだけだ)
勝利の理論を持っているカミューニ。それは攻撃面だけでなく、守備面でも確立しているものがあるのだ。
(準決勝は明宝。それに勝つと絶対王者東英……か)
ボール回しも終盤になりボールを一つ取りノックの準備に入る。その時の彼の表情は何かを企てているものだったことに、彼のそばにいた数人が気が付いた。
(東英学園……果たして勝ち抜いてこれるのかな?)
ニヤリと笑み一瞬見せたかと思うとすぐに無表情に戻りボール回しを終えポジションに着いた少女たちへとノックを打ち始めるカミューニ。彼の頭の中は既に先の先を見据えて動いていた。
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