第2章
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私が新しい会社に通って、1週間後、面接してくれた人 増井築路さんが
「吉川さん 本採用にします と、言ってもパートですが」と、言ってくれた。
「はい 頑張ります」と、何だか嬉しくて元気に返事していた。その後も、色々と声を掛けてくれて、毎日が楽して、安心して働いていた。そして、増井さんにも、親しみを感じていった。お父さん位年が離れているんだけど、なんか・・違って、思えていたのだ。りんさんとは違って、包まれているような安心感が・・。
そして、冬になって寒い日が続いていた日、突然、増井さんから綺麗な紙包みを渡された。
「これ あげる 毎日、自転車で来るのって寒いだろー」と、中には赤、黄、青色の毛糸のミトンの手袋が入っていた。
私は、それをはめて通勤するようになっていたのだが、会社の手前ではカバンにしまっていた。なんか、恥ずかしい感じがしていたのだ。
仕事にも慣れてきた頃、帰り道の家の近くで、りんさんが待っていたのだ。
「るりちゃん 久し振り 顔を見たくなってな 待ってた」
私は、ヤバイとまともに顔を見られなかったのだ。それでも、近くの河川敷に座って話をした。
「どうしたんだい 何かあったのか 学校も辞めてしまったんだってな」
「うーん ウチ アホやし 勉強好きちゃうしなー」
「自分のことそんな風にいうのよした方が良いよ なんで、電話でそのこと言ってくれなかったんだい 会うのも避けてたみたいだし」
「うーん バタバタしてたしな お母さんにも、さんざん叱られたし・・そんなんで、りんさんに迷惑かけたらあかんと思ってたんや」
「そんなこと 相談してくれたらいいのにー 遠慮しないで 今の仕事はうまくいってるのー?」
「ウン 優しい人ばっかりだし もう慣れたよ あのなー 悪いけど りんさんとこうやっているのあんまり他人に見られたぁないねん もう、行くね」
「そうか 又 デートくらいしてくれるんやろー 今度、誘うし」
「ウーン ウチ 生活が変わってしもたからなー」
と、私は、あいまいな返事をして別れた。あんなことがなければ、もっと、りんさんに甘えられたのに・・あれから、ずーと あの男の呼び出しがあったらと、びくびくしているのだ。
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