第百十九話 曹操、乳を飲むのことその八
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「斗詩も飲んでるよな」
「今朝も飲んだわ」
顔良自身もそうだというのだ。
「包と一緒にね」
「包とかよ」
「あちらの西洋式のね」
つまりパンだというのだ。
「美味しかったわ」
「あたいは今朝は御飯だったけれどな」
「朝は牛乳飲んでないのね」
「ああ、今朝はな」
そうだというのである。
「何かいい感じで起きられてばくばく食えたしな」
「文ちゃんらしくね」
「いや、本当に胸が大きくなればいいよな」
牛乳によってだというのだ。
「だからこれからも牛乳飲むか」
「そうね。ただね」
「ただ?」
「溢すと大変だから」
その牛乳がだというのだ。
「匂うし。白く汚れるし」
「だよなあ。特にどろどろになったら」
「とろろも辛いけれど」
「ああ、とろろもだよな」
二人はとろろの話もした。
「あれも白く汚れてな」
「しかも痒いし」
「辛いんだよな、溢すと」
「そういえば麗羽様が今度」
顔良は暗い顔になってだ。自分達の主の話もした。
「とろろを使ってね」
「またあれかよ。鰻と海鼠の時みたいに」
「蛸も使ってね」
「全身ぬるぬるなんだな」
「あの人そういうの好きだから」
袁紹の趣味の一つである。
「だからそうしてね」
「難儀だよな。麗羽様も」
「全く。ぬるぬるが好きっていうのも」
「鰻なあ。あれを胸で掴むんだよな」
「胸の間で動いて暴れ回って大変なのよ」
顔良にはわかることだった。しかし文醜はこう言うのだった。
「そうなのか?あたい手掴みしかできないからな」
「手だけなの」
「手でしごいたら凄いだろ。口から水吐き出したり」
それでだというのだ。
「顔にぶっかけてきてな」
「ううん、何か凄いわよね」
「麗羽様ってそんなのばかり好きだからな」
ぬるぬるに暴れ回り白濁したものがだというのだ。
「あの趣味は変わらないよな」
「よく夏侯惇さん達が巻き添え受けてるけれど」
「幼馴染みだからな」
あと夏侯淵もである。
「どうしてもそうなるよな」
「ああいうことさえなければ完璧なのに」
顔良は困った顔で述べる。
「困ったことよね」
「それでもそういう麗羽様でないとな」
「かえって寂しいし」
「困ったことだよな」
「本当に」
そんな話もしていた。その中でだ。
ミナはシーサーを連れて船を見回っていた。そのつないでいるのを離してきているその船達をそうしていたのだ。そしてだ。
そこで川を見た。見ればだ。
魚達が騒がしい。それを見てこう隣にいた命に述べた。
「近いうちにね」
「来ますか」
「ええ。奇襲で来るわ」
敵がだ。そう来るというのだ。
「その気配はするかしら」
「いえ、私はまだ」
深刻な顔になり探りながらだ。命は答えた。
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