ハーケン会戦〜大戦の”裏”の戦い・前篇〜
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気まずそうな表情を浮かべて答えたエステルの答えを聞いたクローディア王太女は呆け、レクター少佐は一瞬石化したかのように固まった後呆けた声を出した。
「……当事者であるアランドール少佐でしたら既にご存じと思いますが、”紅き翼”がセドリック皇太子殿下の救出の為に”黒の工房”の本拠地を見つけて襲撃した訳ですが……彼らの目的は皇太子殿下の救出だけでなく、”黒の工房の本拠地のどこかに保存されているミリアム・オライオンのスペアボディの確保”の為でもあったんです。」
「な………」
ヨシュアの話を聞いたレクター少佐は絶句し
「本来でしたら死者を蘇生……ましてや、死亡してから日数も相当経っている状況で蘇生をする事は”神ですら不可能”の所業ですが……アランドール少佐も知っているように”白兎”は”普通の人間ではなく、人造人間”である事に加えて白兎自身が”剣”になった事で”白兎自身の魂も剣という形で残っていたとの事。”紅き翼から聞いた話になりますが、紅き翼は”剣に白兎の魂が残っていて、白兎に適応する肉体さえ用意できれば白兎の蘇生は可能”という一縷の望みにかけました。そして”魔女”の長やメンフィルの協力もあり、その結果”白兎の蘇生に成功した”との事ですわ。」
「というかオルディスの守備を担当していたアランドール少佐と同じ鉄血の子供達のリーヴェルト少佐もミリアムちゃんの生存を確認しているけど……リーヴェルト少佐からミリアムちゃんの件は聞いていなかったの?」
フェミリンスはヨシュアの説明を捕捉し、ミントは苦笑しながらレクター少佐に訊ねた。
「……お前達なら知っていると思うが、情報局はメンフィルの諜報関係者達による旧共和国に潜伏していた局員達の大量暗殺に加えて戦争が本格的に始まってからも、局員達が次々と暗殺され続けた事やクロスベルに潜伏していた連中も全員逮捕された事によって相当な人員不足に陥っていて俺はその補填の為に休む暇すらなく動き回っていたからな……クレアと話したのは黒の工房の本拠地の防衛が失敗した時が最後で、それ以降は連合の侵略も本格的になった事で互いに会って話す暇なんてなかったんだよ。」
「なるほどね……連合による猛攻で白兎の蘇生を知る事ができた”氷の乙女”は貴方に”白兎の蘇生”を知らせる事はできなかったのね……」
「要するに”不幸な偶然”が重なったという事ですね。――――――あ、先に言っておきますけど”空の女神による運命の悪戯”等とか言わないで下さいよ!」
「いや、誰もそこまで言っていないから。というか今のエイドスの言葉で、クローゼが作った説得の空気が完全にぶち壊しじゃない。」
「君もエイドスの事は言え
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