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イベリス
第四十六話 夏服を着てその八

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「災害だけはよ」
「結界にお願いしたいわね」
「守って欲しいって」
「そこにいる神様仏様達にね」
「そうね」
 こうしたことを話してだった。
 咲はこの日を過ごした、そして放課後漫画を読むとだった。
 まさに東京の結界のことが書かれていた、七人の世界を護る者と七人の地球を護る者の戦いの話で作品の舞台は他ならぬ東京である。
 その漫画を読んでだ、咲は部長に尋ねた。
「東京って結界の塊なんですね」
「そう言われてるね」
 部長も否定しなかった。
「幕府のあった場所だし首都だしね」
「だからですね」
「もう護る為にね」
「それで、ですね」
「あらゆる魔からね」
「魔からですか」
「そう、災害とかは魔が為すもので」
 それでというのだ。
「それから街を護る為にだよ」
「結界が張られているんですね」
「魔があらゆる災害を起こすんだ」
「地震とかもですか」
「疫病もね」
「疫病もですか」
「昔はそう言われていたんだ」
 部長はその昔のことも話した。
「奈良の大仏さんだって天然痘が流行ってだったから」
「奈良時代に」
「それで沢山の人が亡くなったから」
 朝廷でも当時権勢を誇っていた藤原四兄弟が全員命を落としている、そして天下で多くの人が亡くなったのだ。
「建立されたからね」
「それであんな大きなのが造られたんですね」
「日本を護る為にね」
「そう思うと疫病も怖いですね」
「京都だってね」
 この街もというのだ。
「あそこが最初に結界を念入りに考えられた街だったけれど」
「京都も有名ですね」
「桓武帝が災害それに怨霊を恐れられて」
「遷都されて」
「それでもう何重にもね」 
 まさにそうした感じでというのだ。
「張られているんだ」
「そうした街ですね」
「あそこもね」
「そうなんですね」
「そうしたもの全てがね」
「魔によるものですね」
「そしてその魔をね」 
 あらゆるそれをというのだ。
「退けて寄せ付けないものがね」
「結界なんですね」
「中にあってもね」
「祓いますか」
「京都にはそうした話も多いよね」
「あっ、陰陽師ですね」 
 咲は部長の話を受けてこれまた創作の話から応えた。
「そうですね」
「そう、安倍晴明さんとかね」
「都の中の魔を倒していますね」
「そうした話もあるね」
「鬼とか」
「あと武士もね」
 この立場の者達もというのだ。
「そうだね」
「源頼光さん達ですね」
「酒呑童子は外だったけれど」
 大江山にいた、そこから都を脅かしていたがその拠点は都から離れたその山を拠点としていたのである。
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