第四百九十三話 白い敵その六
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「兄上はすんでのところでだ」
「あっ、色々あったんだったね」
「そうだ、そしてだ」
「あと少しで」
「人間でなくなるところだったが」
「何とかですね」
「人間としてその一生を終えることが出来た」
あの時の戦いのことを思い出しつつ語った、ネクロム達にとっては忘れられない苦い思い出である。
「私はそのことはよかったと思える」
「人間として生きて」
「人間として死ねるならな」
それならというのだ。
「それ以上いいことはない筈だ」
「そうだね、そして僕達も」
「人間としてだ」
「スサノオと戦っていくんだね」
「そうしていこう」
こう話してだった。
戦士達は訓練もしていき遂にだった。
ある朝この日も訓練をはじめようとした時にだった、社長室で仕事の準備をしていた二ノ宮はその話を聞いてだった。
すぐに訓練場になっている地下迷宮の五階に来てワニベに問うた。
「オルフェノクが出たか」
「うん、見て」
ワニベが指差した先にだった。
無数のオルフェノク達がいた、そして戦士達と戦っていた。二ノ宮はその状況を見て頷いて言った。
「遂に出て来たか」
「何時かはと思っていたれど」
「遂にだな」
「そうだね」
「ならだ」
二ノ宮は冷静な顔と声で述べた。
「ここに食いものと飲みものとだ」
「衣料品もだね」
「薬もな」
これもというのだ。
「持って来てだ」
「そうしてだね」
「戦うぞ、そしてだ」
「そして?」
「俺は今日は急だが休みを取る」
このことも決めた。
「そうしてだ」
「戦いに専念するんだね」
「そうする、いいな」
「じゃあ宜しくね」
「ああ、サポート要員として戦う」
こう言ってだった、二ノ宮は。
戦場に入ったが迷宮蟻女王に言われた。
「食料や飲料はです」
「全てか」
「用意しました」
「速いな」
「我々が働きました」
迷宮蟻Aも言ってきた。
「それで」
「そうか、よくやった」
「いえいえ、それで社長はこれからは」
「戦局を見る、お前達は今は待機だ」
迷宮蟻Aと迷宮蟻女王に告げた。
「そしてだ」
「そのうえで、ですか」
「何かあればな」
その時はというのだ。
「また働いてもらう」
「わかりました」
「あとあんたもだ」
ジャベルにも声をかけた。
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