第四百九十三話 白い敵その二
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「何ならおっさん食うか?」
「待て、今度はわし自身か」
「腹減ったらいいからな」
「別にそうしてもいいかな」
「そうだよな」
シブヤとナリタもよしとした。
「この人だったらね」
「別にね」
「それに死んでも生き返るし」
「それじゃあね」
「いらない」
これがリムの返事だった。
「このおっさんは」
「いいのかよ」
「だってまずそうだから」
仙人をジト目で見てユルセンに答えた。
「それもかなり」
「そういえばおっさんまずそうだな」
「それもかなりね」
「言われてみたら」
ユルセンだけでなくシブヤとナリタも頷いた。
「どうもね」
「この人は美味しくないね」
「食ったら食あたりしそうだな」
ユルセンはこうまで言った。
「本当に」
「今度はそう言うか、わしはまずそうか」
「滅茶苦茶な」
ユルセンは仙人自身にも言った。
「まずそうだぜ」
「そう言うお前よりもか」
「俺は猫だからな」
本体はというのだ。
「猫はまずいって言うな」
「そうだな」
「まあ俺は食われたくないしな」
「それを言うならわしもだ」
「だからまずいって言われたから安心しろよ」
「それがいいことか」
「おっさんリムがこれまで見たものの中で一番まずそう」
リムはこうまで言った。
「毒もありそう」
「そんなものないわ」
「それでも兎に角まずそう」
「確かにこのおっさんはまずそうだな」
「間違いなくまずいですね」
迷宮蟻Aは豚教官の言葉に頷いた。
「この人は」
「そうだな」
「もうお顔に出てますよ」
「俺も食えって言われたら困る」
「私もですよ」
「だからリムおっさんは食わない」
リムはまた言った。
「キンジが昔食わせた残飯の方がずっとまし」
「残飯は料理次第で食べられるわよ」
アカリが答えた。
「中身によるけれど」
「そうなの」
「シチューにしたりカレーにしたりしてね」
その様に調理してというのだ、アカリは自部な聞いた限りの知識の中でリムに対して話をするのだった。
「食べられるわよ」
「そうなの」
「けれど確かに仙人さんは」
彼を見て答えた。
「まずいわね」
「アカリが見ても」
「だから食べられないわね」
「言われなくても食べない」
「ということだ、安心しろ」
ユルセンはまた仙人に話した。
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