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夏休みも終わろうかと言う時、りんさんから、デートの誘いがあった。京都の水族館に行こうよって言っていた。私は、OKしたんだけど、お姉ちゃんに相談したら
「良いんじゃぁ無いの 倫君 瑠璃のこと気に入ったんだー おめかししていってらっしやいな そうだ、私のワンピースあげる もう、着ること無いと思うから」
そして、当日の朝、駅で待ち合わせをしていた。ノースリーブの白地に小さなバラの花柄で丈が短くて
「お姉ちゃん こんな短いの 恥ずかしい」
「何いってんの これくらい 今じゃないと着れないよ 可愛いから大丈夫」と、綿で編んだベージュのベストを着せてくれて送り出されたのだ。
「ウン 可愛いね」と、会った時、りんさんは言ってくれた。私は、そんなの初めてだったから、良かったと嬉しかったのだ。
彼は、電車の中で、「僕は、川の景色が好きで、その中でも河口が大好きで、河口近くから歩いて、景色を見るのがたまらないんだ」って話してくれていた。私は、変な趣味って聞いていたのだけど・・。でも、電車を降りると手をつないで歩いてくれた。こんなことも、私は、初めてだった。水族館の中でも、ずーと手をつないだままだった。
帰ってきた時、駅で「家まで送って行くよ」と言われたけど
「いいよ ここで ウチ コンビニ寄って行くから 今日はありがとうございました 楽しかったわ」と、断ると
「又 デート誘ってもいいかなー」と、言われて、私は恥ずかしかったので、うなずいていただけで別れたのだ。
コンビニに入ると、同じクラスの男の子 若松秀人に出くわした。背も高くて恰好いいとクラスの中でも女の子に特に人気がある子なのだ。
「おおー 吉川 おしゃれして・・どっか行ってきたのか」
「うん ちょっと 遊びにね」
「そう デートかーぁ?」
「ううん そんなんちゃうよー」
と、家が近いので、いっしょに並んで帰って行った。あんまり何を話していたのか覚えていないけど、笑いながら歩いていたんだと思う。
この時は、私は、まだ、無邪気な女の子のはずだったけど、このことが、私の不幸の始まりだった。
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