第十話:動き出す宿命…始まった悪意による絶望
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突然ラクサスが姉に対して「アンタブラコンだろ」発言に目を点にするネロに姉の否定のない即返答にネロはぎょろぎょろと二人を見渡してしまう。
いや、突然何言ってんだ。というか姉さんも何を真顔に答えてんだ!?
「可能であるのなら、ネロさまには私と同じギルドに所属していただきたかった。 同じ居場所で過ごせば、同じ時間を共にし、同じ志を示せればどれだけ良いか」
「ね、姉さんェ…」
「ならアンタも入りゃいいだろうに、ウチのギルドに」
所かジト目になってセイラを見るラクサスに彼女は首を振り、悲し気な表情でネロを見つているだけ。
「それはダメです。私には私の目的のために、そしてあの御方の為に今のギルドに居なければなりませんので」
「あの御方…?誰だよソレ、姉さんのとこのマスター?」
「いいえ、マスターではありません。 しかし、ネロさまと同じく大事で恩を報いらなければならない御方」
「恩……?」
ネロは姉との話題で彼女の人間関係について触れたことはない。
何故ならこんな山奥に家を建てて住んでいるのだから、きっとそれなりに重い話だろうと遠慮して聞いたことがなかったのだから。
聞いておけばよかった、と思うのは…次の瞬間であった。
『あとは僕が説明するよ、セイラ』
その声は――否、魔力は不気味といっても過言ではないほど濃厚なマイナスを感じさせる程の色を持つ''誰か''の声であった。
「「!!?」」
その声を聞いてネロとラクサスは初めて自分たちの身体が動けないという現象を理解した。
いつから…と考えるが彼らは気づかないのも無理ない。
この現象はいつというよりもこの声が響き渡った瞬間に彼らの身体の自由を奪ったことなど、一瞬過ぎる出来事に彼らは悟ることができない。
「――よろしいのですか、今ここで…」
『構わないさ、どうせあのギルドに行くのなら…明確に成長させる材料が必要なんだよ。 この子がこのまま腐るようなら処理する必要があるけど』
「それについては大丈夫かと。 ネロさまは旅に出る前から強さに対しては積極的な子ですから」
『うん、順調のようだね。 ああ、そうだ。 ちゃんと彼に力の使い方教えてあげた方がいいよ、まだ魔法の使い方が間違っているみたいだから』
「承知しました。 このセイラ、最後の教えをネロさまにご教示します」
『よろしくね』
二人の少年を差し置いてどんどんと進む会話にネロとラクサスは口をはさむことができなかった。
二人が会話している中、なんとか身動きしようとしたり、魔力で身体強化して金縛りから解放を行おうとするが…うまくいかない。
会話が
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