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妖精のサイヤ人
第十話:動き出す宿命…始まった悪意による絶望
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スの顔を見てネロはただただ同意するように深く頷いた。
まるで口にしなくても解ると頷くこのダチ公、被害者1号だったのか。

「とりあえずリビングに行こうぜ。 今頃姉さん朝飯の準備していると思うから」

そうして朝御飯を迎えようとする少年たち。
どんな顔をしてセイラと会えゃいいんだよとダチ公に愚痴りながら、ラクサスはネロに着いていく。
部屋のドアを閉めようとするネロはある本棚に目を向け、すぐにラクサスと共にリビングに向かった。

その日の朝はただ気まずそうに食事していたラクサスにセイラは首を傾げたり、なんたか落ち着かない朝になっていた(ネロ談)


★★★★★★★


目の前で友人が姉にフルボッコされている件について。
何故か前世で読んだことのあるラノベみたいなタイトルと現在の状況を合わせた言葉が思い浮かんでしまうほど、改めて自分の姉の異常性を目のあたりにしてしまった。

今のラクサスは完全に大会の決勝戦でやり合った時以上の魔力とスピードを使って、目の前の姉に挑んでいた。
前日でも一度ラクサスと軽い手合わせして分かったのは、オレだけじゃなくラクサスまでも強くなっていた事実。
ラクサスはサイヤ人というわけではなけく、普通の魔導士なわけだが…どうやら大会で闘った時にオレとの戦闘で''何か''を掴んだらしく…オレよりまた上の一歩強くなっていた。
それに対してライバルのオレにとって悔しいことであると同時に活力を沸かせることだったのだが、そんな強くなったラクサスでさえ、姉の顔を歪ませていない。

姉さんは変わらずいつも通りに涼しい顔をしてラクサスの攻撃を避けたり流したり、時々雷を食らっても顔色を変えることなくラクサスにカウンターだけしていた。 
何よりも驚かされるのは…さっき述べた通りカウンターだけしている、という事実。
オレとの手合わせ時と同じく、無駄に動くこともしないでただ攻撃された瞬間に的確に掌底打ちを繰り返しているだけ。

「――クソ!!魔法すら使わねえでこの強さかよ…!!」

姉さんの頭上で組んだ両手でを振り下ろそうとしたラクサスは姉さんの届く瞬間にその顔面は姉さんの掌が打ち込まれてしまい、また吹き飛ばされていくが空中で体制を整えたのかまた雷を纏い、今日一ともいえる程の速度で姉の背中に飛ぶ――がそれはフェイントだったようでいつの間にか別の雷光と化してオレの視界ですら映らない程のスピードで姉の懐へと接近していてアッパーを仕掛けようとしていた。

「がっ!!?」

それでもなお、ラクサスの拳は届かない。
ラクサスの拳が届く前にその真上から姉は掌を振り下ろし、何の手入れもされていない地面へとアイツを沈ませた。

「…マジかよ」

正直今の姉になら
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