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ハッピークローバー
第十七話 合コンが終わってその九

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「そして死んでいてもな」
「いいの」
「どうせ何の感謝もしないで人の為に何もしようとしないんだ」
「自分だけの人ね」
「それでそんな振る舞いだからな」
「死んでいてもいいの」
「むしろその方がいいってな」
 その様にというのだ。
「知り合いの殆どの人は思ってるだろうな」
「そんな人生送りたくないわね」
 一華は父の話を聞いて心から思った、そうして水をさらに飲んで水分補給と酔い覚ましを同時に行いつつ述べた。
「絶対に」
「そうだな」
「何もいいことはないじゃない」
「そう思うならな」
「支えることね」
「大事な人をな、感謝してな」
 その気持ちも忘れるなと言うのだった。
「あらゆることに」
「誰かによくしてもらったりしたら」
「そうしてもらったりいいことがあるとな」
「感謝することね」
「そうしないとだ」 
 さもないと、というのだ。
「最悪のケースだけれどだ」
「その人みたいになって」
「終わりだ」
「そうなるのね」
「それで死んでもな」
「終わりじゃないのね」
「浅ましいだろ」 
 その人の姿はというのだ。
「そして卑しいな」
「そういうのが浅ましくて卑しいって言うのね」
「そうなんだ、一華も覚えておけよ」
「そうした人こそなのね」
「浅ましくて卑しいんだ、それであんまりにもなんだ」
 浅ましく卑しいからだというのだ。
「死んでも人間には生まれ変わらないぞ」
「まさか虫とかに生まれ変わるの?」
「いや、虫より酷い」
 さらにというのだ。
「餓鬼に生まれ変わるんだ」
「餓鬼になの」
「虫ならまだいい、いつも餓えて渇いていないからな」
「餓鬼はいつもなのね」
「そうなっていてな」
 そうしてというのだ。
「苦しんでいるんだ」
「そんな人は死んだら餓鬼になるのね」
「虫ならまだいいんだ」
「犬とか猫より遥かに酷いわよね」
「それはな」
 猫は動く虫が好きだ、それで普通に前足を出してその一撃で潰したりする。そして食べることも普通だ。
「小さいからな」
「踏み潰されたりもするわね」
「そうなるものだ」
「けれどその虫よりも」
「餓鬼は酷いからな」
「いつも餓えていて渇いていて」
「苦しんでいるんだ」
 それが餓鬼だ、その餓えや渇きが癒されることはない。
「そうなりたくないだろ」
「誰がなりたいのよ」 
 一華は父に口をへの字にさせて即答で返した。
「そんなの」
「だったらな」
「最初からなのね」
「ならない様にするんだ」
 絶対にというのだ。
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