第9話 松田陣平
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米花中央病院、ここは横浜総合医療センター系列の総合病院である。ここでは定期的に森鴎外の医療講義が行われてきた場所である。本日は鴎外は忙しいため与謝野晶子が代理で講義を行う日であった。そして麻生成実の医療研修最終日でもあった。
麻生成実、訳ありのDMO専属医師である(前回参照)。あれから早2か月。DMO内で医療勉強をしながら約束通り系列病院で研修に励む若手医師であった。
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「どうだい?研修のほうは?」
「おかげさまで、在学中の研修や孤島の医者だけでは見えてこない部分も見えてきます。」
片や講義終わり、片や研修終わりの与謝野と麻生が戻る際に話していた。
「さて、もうそろそろ中也の病院巡回も終わるだろうからねぇ」
「うちは病院の巡回もやっているんですね」
「私たちが講義に行く場合や病院に用事がある場合だけだけどな」
そういっていると電話がかかってきた。
「噂をすれば・・・・」
ピッ
「中也かい」
<あぁ、悪いんだけど○○の場所まで来てくれないか?>
「何かあったのかい?わかった。すぐに行く」
「どうしました?」
「トラブル発生したらしい。そこまで来るようにだと」
そういった与謝野はすぐさま歩を進め始めるのだった。
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中也が怪しい人(?)を発見したのは巡回が終わりエントランスに戻った後のことだった。
待っている間何気なしにあたりを見回していると。黒服でサングラスをかけた表情がどことなくにやにやした男が紙袋を持ってそれを置こうとしているところだった。どう見ても患者や見舞客には見えず、また長年の勘も働きその紙袋をのぞいてみることにした。
「(・・・・・・爆弾かよ)」
ピッ
「翼か?米花中央病院で爆弾を発見した。あぁ・・・悪いんだけど萩原か松田に連絡して周辺の防犯カメラを調べてくんね?黒服だがあたりを見渡したそれとない男がいるはずだ。与謝野たちが戻ったら後を追う。」
そして今に至るのだ。
「待たせたね。」
「あぁ、今回呼んだ元凶はそれだ」
紙袋を指さす。
2人はそれをのぞき込み納得した。
「なるほどね・・・」
「爆弾・・・・・ですか・・・・」
「そういえば今日があの日だったな」
「あぁ・・・・既に翼経由で萩原か松田に連絡。おそらく萩原のほうだと思うがしてもらって周辺の防犯カメラの洗い出しを頼んである。俺が爆弾男を追うから爆弾処理班が来たら状況説明をしてほしい。」
「了解。」「任せてください」
その言葉を
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