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探偵ストレイドッグス
第5話 萩原研二
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るのを遠くのほうに聞きながら瞬時に悟ってしまった。
萩は、救急車が来たとしても病院まではもたない。助からないと

その時だった。

「ちょっといいかな。」
「・・・・・え?」
「その人助けるんでしょう?」
「っえ、でもこの状態は?」
「でも、まだ生きている。どんなに弱っていてもまだ命がある限り助けてることをあきらめないのが医者だよ。」

「医者・・・・なんですか?」

「そうとも」



そして、立ち上がった人はほかの人にも聞こえるようにこう告げた

「横浜総合医療センター医院長の森鴎外だ。今すぐに処置を行う。大丈夫だ。絶対に助けるよ。」

今から私は重症者の処置にあたるから、軽傷や自力で動くことができるものはここにいる与謝野医師の指示に従ってほしい。よろしく頼む。

その声掛けにパニックになっていた警官たちはいっせいに動き出した。ところどころざわつきがあるのも自分と同じ心境だからだ。

森鴎外、医療系のニュースでよく耳にする名前だ。医学の権化といわれるトップ医師。横浜総合医療センターで医院長を務め、4年前からは横浜にある総合探偵事務所で副所長を兼務している凄腕だ。

そんな大先生がなぜここにと思ったりしているがその間にも処置がつづいていた。

「とはいえ、危険なのには変わりないか・・・とりあえずやけどだな。翼君」

「うん<レーゼ>」

翼君と呼ばれた少年が手をかざすと緑色の光が萩原の体を包み込む。そうすると赤みが徐々に消えていくのが分かった。あれが、初めて見る異能という力なのだろうか。

更に、少年はどこからかビニール袋のようなものを取り出し鴎外先生に渡した、そして、それはみるみるうちに膨らんでいきその中に萩原の体を入れた。何を今からするのだろうか。
眺めているとジーとみられているのが分かった。その視線は先程の少年のものだった。自分が気づいたことに気づいたのか少年はこちらにやってきた。

「お兄さん。あのお兄さんのお友達?」
「あぁ、親友だ」
「そっかー」

会話が途切れてしまった。

「なぁ、聞いていいか?」
「なあに?」
「あれ、何しているんだ?」
「?あれは無菌室といってね、持ち運び式の手術台なんだ。やけどのほうは自分が治したし爆発前に能力でカバーしたから大丈夫だったんだけど、熱を持ったガラスの破片が刺さっているほうが問題みたいでね病院に運ぶ前にある程度除去作業をしているんだ」

今手術しているのか?というかこの少年はやけどを治すだけでなく爆発前にもカバーをしてくれていたのか。もしそれがなければ防護服を着ていない萩原は即死だったかもしれない、その状態だといくらトップ医師といえどもどうしようもなかっただろう。

「少年。ありがとう。」

「うん、
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