第九話:ついにネロ姉の登場!その正体とは…
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長髪の黒髪にカチューシャを身に着けた美女が茜色の髪を持つ弟を心から嬉しそうに、穏やかな笑みで出迎えていた。
「―――おかえりなさい。待ってましたわ」
透き通るほど美声が小さな口から出る。
弟の髪と似た色の目は優しく―――抱きしめようと両腕を広げた状態でいつのまにかその少年と接触できる距離までに接近していた。
「!!!」
ネロがドアノブを回して訛り声を発したたったの数秒。
その数秒で目の前の女性は既に玄関に立っており、そして瞬きする間に既にネロの前に近づいていた。
その光景を客観的に見ていてぎょっとするラクサスとこれからの光景が瞬時に脳内に奔ったネロ。
(あ、ダメだ逃げられないオワタ―――)
友達の前で恥をかくと理解し、そして悟ったような、諦めた顔を浮かぶ弟にその美女は己のダイナマイトを炸裂させんと少年を抱きしめる―――!!!
「会いたかったですわ…我が愛おしい…弟」
「ふがぁッ!!!?」
ネロの頭は二つの巨山に埋まれる。
漂う姉の匂いと顔面に伝わる今まで幾度もなく味わった柔らかさ。
全て懐かしいと思いながら、そして友人に恥を晒されているネロは―――
窒息しそうになり、小さいころから味わった苦しみに、抵抗もなくただ1分間も最愛の姉に抱擁されていたのであった。
★★★★★★★
「さあ、どうぞお召し上がりください。久方ぶりに腕によりをかけて調理致しましたので、満足の行くまでにご堪能ください」
「「い…いただきまーす…!!!」
場面が変わって、リビングルームと思われる部屋の中に、三人が囲めるほど丁度いい大きさのテーブルの上に盛り沢山とも思える数々の肉と魚、山から採ってきたと思える山菜で作られた料理の数々を片は歓喜に片はドン引きと声を震えながら両手を合わせて食事の挨拶の言葉を口にして料理を口に運ぶ。
「ふふ、どうでしょうか。山から採ってきた甘い実をソースにして山菜へのトレッキングにしました。 以前ネロさまが口にした野菜炒めをもう少し甘くすれば、と挑戦したのですが、如何でしょうか?」
「すっっげえ美味しい!!!!」
「焼き加減にこの食感…なんで味わい深いんだよ…サクサクした感じだけじゃねえ…甘いだけじゃなく辛い…けどすげえ舌に絡み合う…おいしい…っ…!!」
料理の感想をたったの一言にするネロと味わったことがない美味さに動揺を隠しきれず謎の食レポを始めたラクサスの対応にネロの姉は笑みを深めた。
「今からお湯を沸かしてきますので、おかわりが必要でしたら台所からお取りください」
「はーい!!!」
「この野菜炒めだけじゃねえ…このチャーシューと食うとまた味に
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