第四百九十二話 地獄の訓練その十五
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「ライダー達に倒されるかな」
「巨大化して化けものになった姿でだな」
「灰になってだ」
そうなってというのだ。
「終わっている」
「そうだよな」
「それこそ僅かな間でだ」
暴走状態になったオルフェノクはというのだ。
「皆滅んでいる」
「そうだよな、やっぱり」
「それが力を手に入れてもだ」
「使い方を間違えた奴の末路だな」
「私もそう思う」
まさにというのだ。
「人間でなくなって滅ぶ」
「そんな死に方誰がしてえんだ」
ゴブリン上司が怒った様な口調で言った。
「一体な」
「仕事で身体壊してもですか」
「ああ、身体壊してもな」
ゴブリン上司はワニベにも答えた。
「治せばいいだろ」
「そうですね」
「そしてまた働くんだ、けれどな」
「急にとんでもない力を得て」
「その力で破滅するなんてな」
「いい死に方じゃないですね、確かに」
「何がいいんだ」
怒った様な口調で語った。
「一体、それでそんな力に溺れてやりたい放題やったりな」
「オルフェノクになったとですね」
「思い込んでな」
人間でなくなってというのだ。
「そんなことしてもな」
「いいことはないですね」
「話聞いてたらそうだろ」
ゴブリン上司の言葉はクールなものだった。
「オルフェニクでも人間だってわかってその中で生きた奴は幸せになれただろ」
「会ったことはないですが」
ワニベはこう前置きして答えた、彼が聞いたのは海堂や琢磨といった面々だ。人間として生きることを選び今もそうしている者達だ。木場や長田もそこに入る。
「そうですね」
「しかしオルフェノクだってな」
「姿形が変えられる様になって」
「そうなったって思ってな」
「その力に溺れたり」
「オルフェノクになったって思い込んでな」
そうなってというのだ。
「誰が幸せになったんだ」
「なっていないですね」
「そうだろ、それで滅ぶなんてな」
「それこそですね」
「こんな馬鹿な話はねえぜ」
ゴブリン上司は怒った口調で語った。
「オルフェノクが何だ」
「何でもないですね」
「どんな姿形でもな」
「人間ですね」
「そうなんだよ」
「その通りですぞ」
御成はゴブリン上司の言葉に真摯な言葉と顔で頷いた。
「いや、全く以て」
「そうだよな」
「はい、姿形がどうあれ」
「幽霊になってもな」
「心が大事なのです」
それこそがというのだ。
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