第四百九十二話 地獄の訓練その十四
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「駄目なんだ」
「そういうことですか」
「権力やお金でもそうだね」
天空寺はファウにこうした力も話に出した。
「手に入れてどうか」
「それに溺れたら終わりですね」
「そうだよね」
「はい」
ファウは考える顔になりその通りだと答えた。
「そうなってしまえば」
「それを仕掛けるのがスサノオで」
「人間がどう動くか」
「それがね」
まさにというのだ。
「スサノオの罠でね」
「人間としてどうするか」
「それが問題なんだ」
「権力か、今ならわかる」
豚教官は悔やむ目になり過去の自分を思い出しながら語った。
「あれは溺れやすい力だ」
「そして溺れるとその時は」
「何処までも腐る」
こうアランに答えた。
「そうなる」
「オルフェノクの力と同じだね」
「全く以てな」
「それが力だ」
「溺れれば終わりか」
「下手をすると人間でなくなる」
「そうしたものだな、力はそうしたものだな」
豚教官は力全体を踏まえて述べた。
「溺れると危険だ」
「私も以前は人間がわかっていなかった」
アランも過去の自分を思い出しつつ語った。
「そして間違えた、しかしな」
「今はだな」
「違うと思う。人間としてだ」
「今ここにいてか」
「スサノオと戦っている」
そうしているというのだ。
「そのつもりだ」
「そうか、人間力を持つとか」
「その時にどうかだ」
「それ次第だな、なら俺は人間として生きる」
豚教官は決意した顔で述べた、そうしてそのうえでゴブリン上司に顔を向けてそのうえで彼に問うた。
「あんたもだな」
「当たり前だろ、俺だってな」
「管理職になるしな」
「会社の中の小さいものでもな」
「立場があってな」
「権力があるって言えばな」
そうみなせばというのだ。
「あるぜ」
「そうだな」
「だったらな」
「その力を自覚してだな」
「やってくぜ、オルフェノクみたいになりたくねえさ」
彼等のファイルを読みつつ述べた。
「特に暴走した奴みたいにはな」
「それで巨大化した奴だな」
「ああなったらな」
それこそというのだ。
「もう一つしかないだろ」
「終わりはな」
「灰になるだけだ」
「暴走したオルフェノクですぐに滅びなかった者はいない」
ジャベルが真顔で答えた。
「それこそな」
「やっぱりそうか」
「誰もがだ」
そうなったオルフェノクはというのだ。
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