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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
(!閲覧注意!)かくしてアイドル対決は、阻まれる(後編A)
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になりたいだけだから。」
そういい、二人は足元に出来た黒い沼のようなものに沈んでいく。
追いかけようとしたが間に合わない。それに、
「いいよ。ボクらは勝ったんだ。」
「…。」
走り出そうとした菫の肩に手を置き、そう言ったのはソフィー。
そう、勝った。おそらく呪いも解除されただろう。
「優先しなきゃいけないのはお客さんの無事だ。それにキミだって気になるでしょ?自分のサーヴァントの安否とか。」
自分に話しかけてくるこいつは知っている。
葵の中から見ていたから。
そして香子が呪いにかけられていたことも。
「香子…そうだ、香子!」
ソフィーがその名を口にするとハッとなる菫。
「あーちょっと待って!!」
ソフィーが呼び止めるも、菫は自らのサーヴァントの名前を聞くなり廃ビルから飛び降り、特設ステージ目掛けかけていった。
?
「香子!良かった!!無事なんだね!!」
「ええ、なんとか…。」
ソフィーが特設ステージへたどり着いた頃には、菫は上半身を起こした紫式部に抱きつき、何度も無事かどうかを確認していた。
「痛いところはない?気持ち悪いとかは?」
「大丈夫です、大丈夫ですから菫様。」
菫は引っ付いて離れず、へカーティアやエリザベートなど周りの人物はやれやれと言った感じで見守っている。
「ねぇ踊ろうよ香子!ボクも香子と一緒に歌って踊りたいよ!」
「いえ…私達の出番は終わってしまいまして…。」
「そんなぁ!アンコールされたでしょアンコール!!きっとそうだよ!香子の色香にみんな夢中なはずなんだからね!」
呪いは解けたものの、まだ完治したとは言い難い。
多少ふらつきはするし、霊基もややボロボロだ。
応急処置は施したものの、やはりいち早く休む方がいいだろう。
なので、菫がどれだけ駄々をこねようがもう一度ライブをすることは無理なのだ。
「にしても、よくやってくれたじゃないのよ。まな板。」
「は?何お前。」
とここで、ステージと観客を守ってくれていたエリザベートが口を開く。
「あなたが頑張ってくれたおかげで、ライブは中断せずに済んだ。こう見えても結構感謝してるのよ、アタシ。」
「うん。滅多にないよ。」
無い胸を張り偉そうに言っているが、感謝はしているとの事。
マスターもそう言っているし、やはり感謝しているんだと思う。
そして、
「お礼と言ってはなんだけど、アタシ達の特別なライブを特等席で見せてあげる。」
「…?」
ライブは終わった。
しかし、彼女にはまだ何かあるのだと言う。
「特別…ですか?」
「ええ。ファンなら誰しもが最前列に並びたがる超スペシャルなライブ。チケットの倍率もものすごく高くて一生に一度見れる
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