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ダイの大冒険でメラゴースト転生って無理ゲーじゃね(お試し版)
十話「後悔は先に立たない」
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いていないとでも言うのだろう、解かっている。

「では、そろそろ、こちらもうごいちゃいます、よッ」
「ッ」

 早い。わかってはいたことだが師匠は早かった。地を蹴って前に飛び出したなどと言語で表現する暇がないほどに早く。とっさにバックジャンプしたつもりが腕は痺れ持っていた筈の薪はどこかに消え。

「メラ」

 俺の武器を弾き飛ばし木の枝を振り切った師匠に俺はほぼゼロ距離で二発目のメラを放つ。

(物理攻撃は最初からフェイント。俺がレベルアップして二発目を撃てると知らなければ)

 虚をつける。あの短い間に俺に思いついたのはこれが精いっぱいで。

「いやぁ、残念でしたね」

 にっこり笑う師匠を見て俺は遅ればせながら思い出していた。この人は魔王ハドラーの爆裂呪文を原作でも素手で握り潰していたということを。俺のお粗末な攻撃呪文がどうなったかなんて言うまでもないだろう。

「しかし、普通のメラゴーストは二発もメラは撃てない筈ですし。フェイントを入れてくるなど、攻撃もよく考えられていましたよ」

 師匠のフォローにとりあえず頷きつつも思うのは、現実は甘くないということ。

(俺にしては頑張ったつもりなんだけど)

 実力差を考えれば当たり前の結果なのに酷く凹んだ俺は、よほど気落ちしているように見えたのか。

「あー、まぁ、メラゴーストにしてはよくやったんじゃねぇか?」

 俺を快く思っていない筈の兄弟子にまで慰められ。

(そう、だよな)

 幾分か気が軽くなって素直にポップに頭を下げたのだった。

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