第二章
[8]前話 [2]次話
銃弾と銃弾がぶつかり合い切り合いも激しかった、西郷が率いる薩摩隼人達は強く。
幾ら倒れてもその後ろから決死の顔をした者が抜刀して来た、そして銃も。
前に駆けながら撃って来る、重野はその撃ち方を見て言った。
「あれが薩摩の撃ち方だ」
「構えず走りながら撃ってきますか」
「敵に向けて」
「あれが薩摩の撃ち方ですか」
「そうだ、西郷さんは薩摩隼人で周りにいる人達も」
彼と共に戦う者達もというのだ。
「同じだ」
「薩摩隼人ですか」
「西郷さんと同じく」
「確かにそうですね」
「だからですね」
「ああして戦う、そして抜刀して来た者は」
見れば銃弾を恐れることなく突っ込んで来る、そして。
「チェストーーーーーーーーーーーーーッ!!」
「キエエエエーーーーーーーーーーーッ!!」
示現流や直新陰流の凄まじい一撃を放って来る、官軍の兵が真っ二つになり鮮血を撒き散らしながら倒れていく。
だが切った者も無事では済まない、その場で銃撃を浴び蜂の巣になるか銃剣で身体を何ヶ所も串刺しにされ。
その場で息絶える、だがどの者も背中から倒れ。
凄まじい形相でこと切れている、重野は自らも軍刀を振るいつつ言った。
「この通りだ」
「死ぬ気で向かってきて」
「凄まじい一撃を浴びせてきて」
「そして死にますが」
「恐ろしい戦いぶりですね」
「これが薩摩隼人ですか」
「そうだ、だから気を抜くな」
絶対にというのだ。
「気を抜いたら負けるぞ」
「我々がですね」
「逆に」
「そうなりますね」
「そうだ、だから勝つぞ」
こう言ってそうしてだった。
重野は阿修羅の如き強さで向かって来る薩摩人達と戦い続けた、戦いは激しかったが物量で勝官軍は次第にだった。
士族の叛乱軍を押していった、そして遂に。
西郷が動けなくなり同志に頼み首を切ってもらったととの報告が入った、重野はその報を聞いた時あえて表情を消したが。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ