第三章
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「男にも」
「ああ、お寺はね」
小雪も言われて応えた。
「昔はね」
「浄土真宗以外は女性に触れることを許されていなかったので」
「表向きはね」
「あくまで表向きですが」
「実際はそうしたお話もあって」
「幡随院長兵衛さんも」
江戸時代初期の有名な侠客である、尚その本職は今で言うかなり大手の政府公認の人材派遣業の社長といったものであった。
「その実は」
「お坊さんに匿われて諭されてでなくて」
「お坊さんの隠し子で」
「そうしたお話あったわね」
「拙僧は実はと思っておりまする」
「お寺に詳しいから」
「左様であります、そうしたこともありましたが」
それでもとだ、弟は言葉を続けた。
「かつてはそうで」
「結婚出来なくてね」
「女性に触れられなかったので」
表向きはというのだ。
「それで」
「男の人とね」
「武家や公家の世界でもそうでありました」
「当時の日本じゃ普通ね」
「長きに渡って」
日本では同性愛は別段おかしなことではなかった、ある公家はそうした日記を書き残しているし足利義満も世阿弥をそうしていたし織田信長も然りだ。
「そうだったので」
「おかしくなかったわね」
「日本でそれで捕まった人はいません」
誰一人としてだ。
「悪いことではありませんでした」
「というかそれで捕まるとか」
「その方がおかしいですな」
「別にプロ野球選手がそうでも」
八回を終わった、巨人はこのイニングも三者凡退だった。
「ふーーんでね」
「終わりですな」
「そうしたビデオに出てた人いたそうだし」
プロ野球関係者でというのだ。
「何でも」
「そんなこともあったでありますか」
「まあそれでもね」
「警察沙汰ではありませぬ」
「襲ったなら別だけれど」
性犯罪を犯さなければというのだ。
「いいわね」
「はい、しかし拙僧は」
清隆は真面目な顔で述べた。
「そうした趣味はです」
「ないのね」
「女性だけです」
好きなものはというのだ。
「だから結婚出来て」
「いいのね」
「そうしたことは全く」
同性愛はというのだ。
「興味がありませぬ」
「したいと思わないのね」
「何一つ」
「じゃあ今の状況が」
僧侶でも結婚出来るそれがというのだ。
「清隆的にはなのね」
「問題なしであります」
「そうなのね」
「悟りを開き欲を完全に捨て去らないと」
さもないと、というのだ。
「そうしたことからもです」
「消えないのね」
「拙僧アイドル大好きでござる」
自分の趣味のことも話した。
「水着や下着が」
「アイドルの人達のグラビアね」
「それが好きでござる」
「それで持ってるの」
「左様であります」
その通りだというのだ。
「漫
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ