第四章
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「そうした、今確かにな」
「そうか、では諸君も認めるな」
アイヴァンホーは周りに問うた。
「これでレベッカ嬢の潔白は証明された」
「その通りだ」
「卿は勝った」
「それならば明らかだ」
「レベッカ嬢は魔女ではない」
「そのことは今確かになった」
「以後このことに異を唱えるなら私が立とう」
彼女を護る為にというのだ。
誰もがこの言葉を認めレベッカは火炙りにならずに済み魔女でないことも明らかになった。そして事実だった。
「そうしたことは出来ないな」
「出来る筈がありません」
レベッカはアイヴァンホーに答えた。
「私は商家の娘で」
「商いのことは知っているがな」
「魔法のことなぞ」
「そうだ、そもそもだ」
ここでアイヴァンホーはこう言った。
「魔女はいる、しかしな」
「しかしといいますと」
「実際に言われている魔術が使えるなら」
それならばというのだ。
「魔女狩りから何でもなく逃れられるな」
「確かに」
レベッカも言われて頷いた。
「そうですね」
「捕まる筈がない」
魔女狩りの者達からというのだ。
「訴えられれば箒に乗って飛び去り魔術で退けるな」
「そうしますね」
「その筈だ、それで捕まるなぞだ」
そもそもというのだ。
「最初からだ」
「魔女ではないということですか」
「それが何よりの証拠だ」
捕まることそれ自体が魔女でない証拠だというのだ。
「まさにな」
「そうなのですね」
「そなたは捕まった」
その魔女狩りの者達にというのだ。
「そして為す術もなかったな」
「あのままでは火炙りでした」
「そうなることがな」
「魔女でない証であり」
「他の者達もな」
レベッカ以外の魔女として訴えられた者達もというのだ。
「私は救っていく」
「潔白を証明されるのですね」
「時には決闘に出てな」
この度の様にというのだ。
「そうしていく」
「そこまでされるのですか」
命を賭けてとだ、レベッカは言った。
「そうなのですね」
「当然のことだ、無実の罪で処刑される者を出す位ならば」
それならというのだ。
「私は決闘に応じる」
「これからもですか」
「そうする、相手が誰であろうとだ」
例えキリスト教徒でなくともというのだ。
「無実の者が処罰されることは許さない」
「それが貴方のお考えなのですね」
「変わることのないな」
アイヴァンホーの声は最後まで確かなものだった、そしてその声の通りにだった。
彼は無実の者がいれば特に魔女狩りで捕らえられた者がいれば毅然として彼等の潔白を証明し時には決闘に応じた。
そうして多くの者の命を救った彼は騎士の中の騎士と言われた。騎士はこうあるべきであると。
高潔な騎
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