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DOREAM BASEBALL 〜夢見る乙女の物語〜
エースの役割
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が焦っているのが伝わってくる。その結果なのか、彼女の投じたスライダーが真ん中に入ってしまった。
ガキッ
「「「「「あ」」」」」
その失投が幸いした。カットに徹していた少女がフェアグランドへと転がしたのだ。それもセカンド正面へのゲッツーコース。
桜井がこれを難なく捌き二塁へ送球。そのまま一塁もアウトにしダブルプレーでこのピンチを切り抜けた。
「ほら!!だから送りましょうって言ったのに!!」
「うっせぇ!!大声出すな!!」
一塁側ベンチからそんな声が聞こえてきた。ランナーを二人出したものの切り抜けた日帝大付属は安堵の息を漏らしベンチへと戻ってくる。
「よく投げた、代打出すからここまでだな」
「はい。すみません」
ベンチに帰ってきた前山にそう一声かける指揮官。ベンチでは背番号13を着けた少女がヘルメットを被り準備万端だ。
「狙うのはストレート。初回にしっかり捉えてるんだからな、あの感覚を思い出せよ」
「「「「「はい!!」」」」」
球種が二択であるため狙い球を絞りやすい。それも一度捉えているボールとなればなおさらだ。
「菜々、こっち来い」
円陣が解けた中呼び止められた背番号1。彼女は試合を見つめる指揮官の後ろにピタリとつく。
「次から
晴美
(
ハルミ
)
をマウンドに上げる。ただ、相手があれだからな。もしかしたら早々に捕まるかもしれない」
次の回桜華学院はクリンナップからの好打順。それを踏まえると二年生投手である梅野の力では及ばない可能性があることを彼は理解していた。
「もしあいつが早々に捕まったらお前をマウンドに上げる。その時は力でねじ伏せてこい。それだけの力がお前にはあるんだからな」
「はい!!ありがとうございます!!」
一礼してその場を去る吉永。彼女にそう声をかけた彼は深いタメ息を漏らした。
(そのためにはまずこの回点を取りたいよな)
残り三回。迫り来るリミットに気持ちが逸る。流れを変えるためにもまずはランナーを出したい。そう思っていた矢先、先頭打者がライトへの浅いフライに倒れ彼は天を仰いだ。
莉愛side
「コーナーに集まっては来てるけど……そこまで打ちあぐねるボールかなぁ?」
代打で出てきた背番号13の選手がストレートに詰まらされファーストゴロ。これで五回も2アウトになってしまったところで優愛ちゃん先輩が首をかしげた。
「でも速いですよ、あのストレート。それにスプリットも警戒しなきゃいけないですし」
「そうなんだけどさぁ」
ストレートは恐らくこの大会で一番速いと思う。それに限りなく近いスピードで落ちて
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