第六章
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っていた、その顔での言葉だった。
「あの時の私を」
「彼でなくだな」
「あの時の私こそね」
高校時代の自分自身こそというのだ。
「軽蔑するわ」
「それがわかったな、だったらな」
「それならなのね」
「そのことを忘れるな、そして二度と誰にもするな」
「そうするわ」
項垂れているだけではない、涙も流してだった。
美佳は頷いた、そうして以後誰にもそうしたことはせず結婚してとても優しい妻であり母親になったが。
高校一年の時の同窓会に出ても彼はいなかった、噂では徳のある僧侶になったと聞いたが確めることもしなかった、同窓会に出る度にあの時の自分を振り返り苦い気持ちになるだけだった。
軽蔑 完
2021・10・19
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