第一章
[2]次話
科学的研究による性教育
中田小雪は家に帰ってリビングで熱心に本を読んでいる兄の大輔に会った、見れば一八五を超えて筋肉質で四角い感じの身体で小さな目でいかつい感じで黒髪を短くしている彼はかなり真剣な顔だった。
小雪はその兄にお茶を出してから尋ねた。
「何読んでるの?」
「セックスの本だ」
兄は真顔で答えた。
「それを読んでる」
「あの、セックスって」
「馬鹿言え、いやらしいことじゃない」
「けれどそれって」
「あのな、どんな生きものもセックスしないと増えないだろ」
兄は引く妹に本から目を離さず答えた。
「そうだろ」
「それはね」
その通りだとだ、妹も答えた。
「当然ね」
「そうだろ、セックスするから生きものは増えてな」
兄はさらに言った、やはり笑わない。
「それで種も続くんだよ」
「それはその通りにね」
「だから俺も今勉強してるんだよ」
「そうなの」
「俺は体育学部だろ」
兄は自分の大学のことも話した。
「八条大学体育学部スポーツ学科だ」
「そうよね」
「それで今性教育の講義受けていてな」
だからだというのだ。
「こうした本もな」
「読んでるの」
「それで教員免許も習得するしな」
「兄さん体育の先生になりたいから」
「だからな」
このことも考えてというのだ。
「それでだ」
「セックスの勉強してるの」
「性教育のな、そうしてるんだよ」
「それで真剣に本読んでるのね」
「セックスのな、それに性欲の発散もな」
このこともというのだ。
「大事なんだよ」
「また露骨に言うわね」
「性欲が溜まると悪いことする奴も出るだろ」
「それはね」
妹はこのことも否定しなかった、兄の話を立ったまま聞いている。
「男の人は特によね」
「女の人もだ、だから風俗もあるしな」
そうした店も存在しているというのだ。
「オナニーだってな」
「するの」
「オナニーも必要なんだよ」
こちらもというのだ。
「性欲を発散させて性犯罪を犯さない為にはな」
「必要なの」
「ああ、オナニーは悪いことじゃないんだよ」
「そうなの」
「性犯罪やらかすよりはな」
それよりもというのだ。
「好きなだけオナニーしてな」
「発散させた方がいいの」
「科学的にもオナニーは悪くないんだよ」
「科学的にもなの」
「ああ、セックスも科学なんだよ」
大真面目な顔での言葉だった。
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