第三章
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「まさにね」
「そうなんですね」
「そう、大阪ではね」
「妖怪も飾らなくて」
「愛嬌もあるのよ」
「そうなんですね」
「おや、急に出て来ても驚かないね」
骸骨の顔の女は二人が平然としているのを見て拍子抜けして言った。
「折角いい頃合いだと思って出て来たのに」
「私達を驚かせるつもりだったの」
「そうだったんだけれどね」
こう言うのだった。
「潮対応だね、今時の言葉だと」
「だって私達八条学園に通ってるから」
真里が妖怪に応えた。
「あそこは妖怪も幽霊の話が多いから妖怪が出ても慣れてるわ」
「そうよ、それに妖怪でも襲わないでしょ」
亜弥も言った。
「こんな場所で」
「まああたしは人を襲ったりしないがね」
妖怪もそれはと言った。
「骨女はね」
「あんた骨女って妖怪なの」
「そうだよ、身体は骸骨でね」
骨折女は亜弥に応えて述べた。
「その身体を人に見せて驚かせるのが趣味なんだよ」
「そうなのね」
「けれど驚かないのならいいよ、家に帰って朝飯でも食うよ」
骨女は何でもないといった口調で言った。
「そうするよ」
「あっさりしているわね」
「驚かないなら仕方ないさ、じゃあまたね」
骨女はこう言って街中に消えていった、その姿を見送ってだった。
亜弥は真里に対して話した。
「妖怪もよ」
「こうしてですね」
「人情があるのよ、愛嬌もね」
「だからいい街ですね」
「その大阪にこれからもよ」
まさにというのだ。
「しょっちゅう来てよ」
「楽しめばいいですね」
「そう、じゃあコンビニでみっくちゅじゅーちゅ買って飲んで」
「それからですね」
「駅まで送るわ、また明日部活でね」
「はい、お願いします」
笑顔で言葉を交えさせてだった。
二人でコンビニに入った、そうしてそこでも大阪名物を楽しむのだった。
骨女 完
2022・3・30
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