第十七話 合コンが終わってその六
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「言うわ」
「それがいいな」
「お家に帰っただけいいわ」
一華はそれで妥協した。
「成海っちもいたしね」
「彼も尽すな」
父は成海の話を聞いてあらためて言った。
「何かと」
「世話焼き亭主よね」
「また面白い言葉出すな」
「いや、世話焼き女房って言うなら」
それならというのだ。
「男の人にあってもいいってね」
「そう思ってか」
「言ったのよ」
成海に対してというのだ。
「そうしたのよ」
「そうなんだな」
「実際成海っちってね」
彼はというと。
「かな恵のこといつも支えてるから」
「それで面倒を見ているからか」
「細かくね、だからね」
そうであるからだというのだ。
「そう言ってるのよ」
「世話焼き亭主か」
「そうね、ただかな恵も尽すタイプだし」
彼女のことも話した。
「家事得意だしね」
「じゃあお互いにだな」
「支え合ってるわね」
「いいことだ、そうでないとな」
父は鯵のフライを食べつつ言った、ソースをかけて味を濃くしてそれでご飯を食べている。おかずは他にはキャベツの酢漬けに梅干しそして中に卵が入った吸いものだ。
「カップルもな」
「よくないのね」
「夫婦だってな」
「お互いに支え合わないと」
「どっちがだけがそうだとな」
その場合はというのだ。
「駄目なんだ」
「二人いるなら二人共なのね」
「相手を思いやってな」
そうしてというのだ。
「支えないとな」
「駄目なのね」
「お互いにな、お父さんの知り合いで下らない奴がいてな」
「どんな人?下らないって」
「図々しくて尊大で大飯喰らいで恩知らずで甲斐性なしで無神経でな」
そうした人間でというのだ。
「働かないで家でふんぞり返ってばかりで仕事も家事も奥さんがやっていた」
「主夫にもならなかったの」
「ああ、それでな」
そのうえでというのだ。
「作ってもらった料理にも文句ばかりで上から目線で決めつけてああだこうだだった」
「それじゃあそのうち愛想尽かされるわね」
一華は冷たい目で述べた。
「最低な人ね」
「実際に二十年近く一緒だったが離婚された」
「やっぱりね」
「それで奥さんが家を出たが」
「尽しても何も思われないから」
「支えもしないし返さないからな」
支えてくれた恩にというのだ。
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