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お骨
第二章
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 そして老婆のお金で生活用品や食べものも買ったが。
 果林は仕事が一段落したところで車の中で自分達のお弁当を食べつつそのうえで祥子に対して言った。
「あの、奇麗ですが」
「お家の中もお寺もね」
「そうなんですが」
「私達が定期的に来てるからよ」
「だからですか」
「それでお掃除をしているからね」 
 その為にというのだ。
「神谷さんもお助けしてね」
「それでなんですね」
「奇麗なのよ」
「そうなんですね」
「定期的にお掃除をしているとね」 
 そうすればとだ、祥子は自分の弁当を食べつつ果林に話した。二人共それぞれの家で作ってきたものを持って来て今食べているのだ。
「こうしてよ」
「奇麗になるんですね」
「何でもね」
「そういうことですね」
「そうよ、だからこれからもね」
「定期的にお邪魔して」
「奇麗にしていくわよ」
「わかりました」
「それで午後はおトイレとお風呂場にね」
「居間ですね」
「そちらもお掃除をするわよ」
「わかりました」 
 果林は笑顔で応えた、そうしてだった。
 二人は休憩の後老婆の家と風呂場の掃除をした、どちらも奇麗でそれで居間もしたがここでだった。
 居間に仏壇があった、そしてそこには。
「この箱は」
「ああ、それですね」
 果林が薄い布に包まれたそれに気付くと老婆が言って来た。
「うちの人の遺骨なんですよ」
「ご主人のですか」
「はい、五年前に先立たれた」 
 優しい表情のまま言ってきた。
「六十年以上一緒だった人なんですよ」
「六十年以上ですか」
「それだけ一緒にいたらもう自分と同じに思えてくるんですよ」
 こう果林に話した。
「ですから先に逝かれても」
「それでもですか」
「どうしても一緒にいたくて」 
 そう思ってというのだ。
「それでなんです」
「一緒にですか」
「いるんですよ」
 こう果林に話すのだった。
「お骨と」
「そうなんですね」
「はい、私も九十五で近いんで」
 旅立つその時はというのだ。
「あと少しだけでも一緒に」
「そうですか」
「それで置いてるんですよ」
 遺骨をというのだ。
「子供達や孫達にも話して」
「そうですか」
「ええ、大事にして下さいね」
「はい、お骨なら」   
 果林も頷いた、そうしてだった。
 実際に老婆の夫の遺骨を丁寧に動かして別の場所に置いてだった。
 仏壇も掃除した、そして祥子と二人で家の隅から隅まで奇麗にしてだった。
 家を跡にした、老婆は深々と頭を下げて二人を見送ったが。
 その後で車の中でだった、祥子は車を運転する果林に言ってきた。帰りは彼女が運転していて祥子は助手席にいる。
「お骨丁寧に扱っていたわね」
「はい、お話を聞きましたから」
 果林は運転
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