第百十六話 小次郎、仇を取るのことその八
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「それだけ追い詰められているということです」
「じゃあやっぱり」
「はい、こちらはその打つ手を潰してです」
「そうしてなのね」
「痺れを切らした敵を倒せばいいのです」
「それが何時まで続くのかしら」
劉備は腕を組みいささか困った顔になって述べた。
「暗殺なり何なりが続いてるけれど」
「もうそろそろ終わりだと思います」
敵のそうした仕掛けて来る策はだとだ。徐庶は劉備に話す。
「暗殺は最後の手段ですから。政において」
「最後の手段だからなのね」
「そろそろ向こうから仕掛けてきます」
徐庶はそう読んでいた。
「そしてその時にです」
「いよいよなのね」
「はい、決戦です」
徐庶のその声が強いものになった。
「そして勝ちましょう」
「わかったわ。戦うからにはね」
「勝たないといけません」
「若し負けたら」
どうなるか。劉備はこのことも話した。
「この世界は終わりよね」
「オロチや常世の支配する世界になります」
つまりだ。滅亡するというのだ。世界そのものが。
「ですから勝たなければいけません」
「わかってるわ」
劉備もだ。彼女にとっては珍しくだ。
強い声になりだ。そうして言うのだった。
「負けない。絶対に」
「その意気です」
徐庶は微笑んでその主に応える。こうしてだった。劉備達は今度は札で刹那達を退けにかかったのである。その作業は総出であった。
その中でだ。張三姉妹があちこちに札を貼りながらだ。まずは張角が言うのだった。
「何かね」
「どうしたの?」
「姉さん、何かあったの?」
「うん、この御札の文字って」
それはどうかというのだ。その札の字がだ。
「あまり読めないけれど」
「そうね。確かに我が国の言葉だけれど」
だがそれでもだというのだ。張宝が言う。
「御世辞にも奇麗な字じゃないわね」
「これ誰の字よ」
「多分あかりちゃん」
張宝はこう張梁に答える。
「あの娘の字ね」
「何よ、あかりって字が汚いの」
「そうみたい」
まさにそうだとだ。張宝は話す。
「どうやら」
「他の娘の字は奇麗みたいね」
張宝は他の札も見ながら話す。
「特に神楽さんの字は」
「ああ、これね」
張梁は手にしているうちの一枚を見て言う。
「この御札が神楽さんのね」
「そう」
その通りだとだ。張宝は次姉に答える。
「あの人が書いた御札よ」
「何かあれよね。御札も個性が出るのね」
張角は今それを知ったのだった。
「その人それぞれで」
「けれどあかりちゃんって法力?そういう魔に対する力凄く強いわよ」
このことは最早言うまでもなかった。あかりの陰陽師としての力はかなりのものだ。
「分身だってできるし」
「そうよね。けれど字はなのね」
「そう
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