第二章
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「いいからね」
「欠員は一人ですね」
「誰かいてくれたら」
「では私が行きましょうか」
初音はここまで聞いて教授に申し出た。
「そうしましょうか」
「初音先生が言ってくれるんだ」
「はい、どうでしょうか。フランス語学科と兼任で」
「大変だけれどいいかな」
「今は余裕がありますし」
初音は笑顔で答えた。
「家の方も」
「仕事に打ち込めるんだ」
「子供も大きくなって」
実は結婚していて一時の母でもあるのだ、その子供も大学生になって子育ても一段落ついたところなのだ。
「ですから」
「それじゃあお願い出来るかな。誰か来てくれるまで」
「わかりました」
こうして初音は臨時とはいてフランス語だけでなくイタリア語まで教えることになった、だが彼女の講義を両方語学はイタリア語とフランス語を受けていてたまたま講義が両方彼女だった女学生が彼女に言ってきた。
「先生はイタリア語も出来るんですか」
「ええ、そうよ」
初音はその女学生に笑顔で答えた。
「私はね」
「凄いですね、フランス語だけじゃないなんて」
「いえ、普通よ」
「えっ、普通なんですか」
「そうよ、フランス語とイタリア語って近いでしょ」
「あっ、確かに」
女学生も講義を受けていてそれはわかるので頷いた。
「そうですね」
「元々ラテン系の言語でね」
「似ているんですね」
「発音だけじゃなくて他にも近いところが多くてね」
それでというのだ。
「方言位しか違わないから」
「だからですか」
「私もイタリア語はわかるのよ」
「フランス語だけじゃなくて」
「あとスペイン語とポルトガル語もね」
この二つの言葉もというのだ。
「読み書きが出来て喋られるわ」
「そうなんですね」
「それで教えることもね」
こうしたこともというのだ。
「出来るのよ」
「そうなんですね」
「ラテン語は教えられるまでいっていないけれどね」
母体となったこの言語はというのだ。
「ラテン系の四つの言葉はね」
「教えられる位なんですか」
「そうよ、どれか一つの言葉を覚えたら」
フランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語のというのだ。
「他の言語は方言位の違いだから」
「わかるんですか」
「だからイタリア映画をスペインで撮影出来るのよ」
マカロニ=ウエスタン等である。イタリアで製作されていた西部劇はスペインに行って撮影が為されていたのだ。
「フランス人のイタリアオペラの歌手も多いのよ」
「そういうことですか」
「だからどれか一つの言葉を覚えたらね」
「後の国の言葉も覚えやすくて」
「旅行とかに行ってもね」
そうしてもというのだ。
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