第一章
[2]次話
ラテン系言語なので
初音愛は子供の頃フランスに数年いた、その為日本語だけでなくフランス語も話して書くことが出来る、その為仕事はフランス語の先生で大学でも教えている。
茶色の長い髪の毛をセットしていて長い睫毛を持つ切れ長の目と細く長い見事なカーブを描いた眉と白い顔そして日本人離れした彫のある顔立ちと一六八の長身ですらりとしている、その彼女がふと学生に言われた。
「先生、フランス語ってラテン語に似てません?」
「似てるも何もフランス語の元がラテン語よ」
初音はこう返した。
「そうでしょ」
「そうですか」
「だからね」
「それを言うとですか」
「もう元も子もないわよ」
こう返すのだった。
「それこそね」
「そうなんですね」
「ええ、だからラテン語に詳しいと」
それならというのだ。
「フランス語は楽なのよ」
「そうですか」
「ただラテン語を勉強することは難しいわ」
「難しい言語ですか」
「実はフランス語よりもね」
このことも話した。
「そうなのよ」
「ラテン語って難しいんですか」
「ええ、欧州の言語の母体と言っていいけれど」
「ラテン語が一番難しいんですね」
「そうした言語よ」
学生にこうしたことを話した、初音はラテン語も理解出来たが実際にフランス語よりは劣り人に教えられるレベルではないと考えていた。
だがある日彼女は学園内のある話を聞いてフランス語学科の教授に尋ねた。
「あの、最近イタリア語の先生が足りないそうですが」
「来年からね」
実際にとだ、教授初老の男性である彼は初音に答えた。
「定年でしかも新たに来てくれる先生が見付からなくて」
「それで、ですか」
「イタリアから来てもらおうにもね」
この話があるがというのだ。
「うちはプロテスタントの大学だから」
「イタリアはカトリックの国ですね」
「うん、中々縁がなくてね」
「宗教の縁ってありますからね」
「欧州だと特にね」
「そうですね」
「だからね」
教授は初音にさらに話した。
「誰がいないか、臨時でもね」
「来て欲しいですか」
「そうした話になっているんだ、それでうちとしては」
教授はここでだった。
真剣な顔になってそれで初音に話した。
「スペイン語学科、ポルトガル語学科と話して」
「臨時でも先生をですね」
「イタリア語学科に行ってもらおうかってね」
「お話になっていますか」
「どの学科から一人でも出せたら」
それならというのだ。
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