第百十六話 小次郎、仇を取るのことその七
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七人の巫女達を見てだ。刹那は言った。
「一人なら何ということはない」
「けれど七人一度はどうかしら」
「退こう」
こうだ。刹那は神楽に返した。
「そうさせてもらう」
「随分と都合のいいことを言うわね」
「私もそう思うわ」
月と命が眉を顰めさせて言い返した。
「私達を殺しに来たと言って」
「七人一度だと逃げるというの」
「そうだ」
刹那は臆面もなく答える。
「そうさせてもらう」
「あんたもう二度とこの陣には来れんで」
あかりは強い目で刹那を見据えて告げる。
「うち等が結界張っとくさかいな」
「結界か」
「あんたみたいに。っちゅうかあんたやな」
他ならぬだ。刹那自身の為のものだというのだ。
「怨霊とか悪霊退散のお札たんまり用意してや」
「俺を陣に入れぬというのか」
「そや。そんで戦いの場で決着つけたるわ」
あかりはこう刹那に対して言う。
「楽しみにしときや」
「貴様等を始末すれば封印する者はいなくなる」
刹那は巫女達を鋭い目で見据えながら告げる。
「その時のことを楽しみにしておく」
「戦いの場では!」
「あんた絶対に倒すからね!」
ナコルルとリムルルの姉妹がその刹那に言った。
「一対一であろうとも」
「負けないわ!」
「無理だな。俺は一人では倒せない」
だが刹那はまだ言う。
「俺の力にはだ」
「言いたいことはそれだけかしら」
神楽は声に不機嫌なものを込めて刹那に告げた。
「これ以上いると封じさせてもらうわ」
「ふん。では去ろう」
ここまで言ってだった。刹那は闇の中に消えた。そうしてだった。
骸と刹那は退けられた。孫策や巫女達は無事だった。しかしである。
彼等冥界の存在が陣中に入ったことにだ。劉備は深刻な顔でこう言ったのである。
「何とかしないといけないわよね」
「はい、それで今あかりさん達がです」
徐庶がその劉備に話す。
「御札を書いています」
「御札?幽霊に対する?」
「そうです。怨霊退散の御札です」
まさにそれだというのだ。
「それを今物凄く書いておられます」
「じゃあその御札を?」
「陣中のあらゆる場所に貼ります」
そうするというのである。
「そうして彼等の再度の侵入を防ぎます」
「妖術に続いて幽霊もなのね」
「そうですね。相手が相手ですから」
そうしたことになるのも仕方ないとだ。徐庶は劉備に話す。
「ですから」
「わかったわ。それじゃあね」
「御札は出来た傍から貼られています」
既に動いているというのだ。
「これで大丈夫だと思います」
「何か。決戦前に」
どうかとだ。劉備は困った顔で腕を組んで述べる。
「色々あるわね」
「そうですね。この戦いは」
「それだけ向こうも必死なのね」
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