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ダイの大冒険でメラゴースト転生って無理ゲーじゃね(お試し版)
三話「絶望の時間」
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魔物でしょうなんて続いたあげく剣の一振りで真っ二つにされる展開が待っているとしても、俺は目を背けて居たかった。

 

「お手洗いに行っているのでしょう」

「だぁっ?!」

 

 だが、勇者のつづけたトンでも推理に少年はずっこけ、俺も若干傾いだ。

 

「切羽詰まって、火だけつけてどこかに行ったとすれば、足跡が殆どない理由にもなります」

「なる、ほど?」

 

 少年は微妙に納得がいっていない態だったが、その辺りは俺もだった。見逃されたのか、それとも。だが、わざとか天然か、いずれにしても俺はただたき火のフリを続けるしかできず。

 

「さてと、そろそろ行きましょうか、ポップ」

 

 勇者の方が突然口を開いたのは、それから暫くしてのこと。

 

「もしこの火を熾された方が戻ってきて『この火は俺が熾したんだ。火あたり料を貰おうか』などと言い出されても何ですし」

「はぁ? そんな人いるんッスか?」

「永く旅をしてますとね、色々あるんですよ」

 

 真面目な顔で告げる内容に素っ頓狂な声を上げる少年へ、勇者は口元に苦笑を乗せ遠くを見ると。

 

「では、これで失礼しますよ」

 

 俺の方を一瞥してから勇者は弟子を連れて去ってゆく。

 

「はぁ、助かったぁ」

 

 思わずへにょりと崩れ落ちた俺が、色々なことへ気づいたのはその後、二人が完全に見えなくなってのことだった。
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