第四十五話 考えは変わるものその十一
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「覚えておくんだぞ」
「そうなのね」
「そうだ、ああした奴こそな」
「人間失格ね」
「もうそう言うしかない」
まさにというのだ。
「何もしないで人の痛みも命の重さもわからずに言ったんだからな」
「ああした人を人間失格って言うのね」
「あんな奴とは知り合いになっても近付くな」
今度は注意だった。
「信用するな、友達に持つな」
「関わったら駄目なの」
「自分しかなくて他の命はどうなってもいい奴だからな」
「平気で人を裏切るとか?」
「絶対にな、自分だけで自分の為なら何でもするぞ」
そうした輩だというのだ。
「だからだ」
「関わるだけでも駄目なのね」
「咲が困っても何もしないぞ」
「私がその人を助けたことがあっても」
「真っ先に裏切って逃げるぞ」
そうするというのだ。
「だから関わるな、そして選挙に出てもだ」
「選んだら駄目ね」
「自分のことしか考えない奴が日本のことを考えるか?」
「絶対にないわね」
咲も有り得ないと答えた。
「汚職とかも平気でするし」
「日本の為に何もしなくてな」
「平気でそうしたことするのね」
「だからだ」
「絶対に投票したら駄目ね」
「それでそんな連中を選ぶとな」
その場合はというのだ。
「悪く変わるんだ」
「そうなのね」
「悪く変わるのはそういうことだ」
「わかりやすいわね」
「誰がなっても同じじゃないんだ」
父の怒りの言葉は続いていた、そのうえでこうも言った。
「ああした連中を選ぶとな」
「大変なことになるのね」
「そして自分達に降りかかるんだ」
「そうなるのね」
「そうなりたくないならな」
それならというのだ。
「ちゃんと見て選ぶ、悪く変わらない様にするんだ」
「そのことが大事ね」
「そういうことだ」
「よくわかったわ」
わかりやすい例えでだ、咲もすんなりと理解して頷くことが出来た。
「そういうことね」
「それで悪く変わらない為にはやっぱりちゃんと世の中を勉強していい人達と付き合うことだな」
「真面目な人と」
「いや、遊んでいてもいいんだ」
「そうなの」
「正しい遊び方を知ってる人とな」
遊んでいてもというのだ。
「付き合えばいいんだ」
「遊んでもいいの」
「遊びからも学べるからな、ただ自分だけ遊んで家族はほったらかしとかギャンブルと狂いとか麻薬に手を出したり無駄にお金を使うことはな」
これはというと。
「最低だからな」
「遊びにしても」
「もうそれは溺れているんだ」
「遊びに?」
「何でも溺れたら駄目なんだ」
娘にこうも言った。
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