第四十五話 考えは変わるものその七
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「暗黒時代だったんだ」
「当時の阪神は」
「もうヤクルトにいつも負けていたな」
「お得意様だったのね」
「監督だと関根さんからだな」
関根潤三である、育成に定評がある人物でヤクルトでも池山や広澤が大成し黄金時代の人材の元を作り上げている。
「あの人の頃からだな」
「阪神に勝ち続けていたの」
「そうだったな、若松さんの頃までな」
「阪神に勝ち続けていたのね」
「毎年勝ち越していて優勝した時は」
そのシーズンはというと。
「特に勝たせてもらったな」
「そうだったのね」
「本当に弱かったんだ」
その頃の阪神はというのだ。
「今と全然違ってな」
「打線が弱くてエラーも多くて」
「投手陣だけだった」
よかった点はというのだ。
「今みたいに無敵じゃなかったんだ」
「今は超強力打線に鉄壁の守備だけれどね」
「打率もホームラン数も得点も凄いな」
「盗塁もね、どれも毎年十二球団一で」
「エラーは最少だろ」
「ぶっちぎりで強いわ」
「そうなったのはな」
そのはじまりはというと。
「星野さんの頃からだ」
「あの人が阪神の監督になって」
「生まれ変わった、もうダメ虎じゃない」
「猛虎ね」
「ああ、王虎とか言う人もいるな」
「そう言うと恰好いいわね」
咲もこの呼び名には唸った。
「王なんて」
「そこまでの強さだから当然だ」
「今や阪神こそ球界の盟主って言ってる人もいるし」
「そうだ、育成も補強も力を入れていて」
「隙がないわ」
「ヤクルトも勝てない」
父は苦笑いして唸った。
「あの隙のない強さにはな」
「まさに無敵の王虎ね」
「本当にな、その阪神に勝とうと思えば」
それこそというのだ。
「ヤクルトも今より遥かに努力しないとな」
「駄目よね」
「本当にな」
こうしたことを言うのだった、そしてだった。
父は食事を晩酌、焼酎のそれを主にして今も牛乳を飲んでいる咲に話した。
「牛乳や野菜ジュースはどんどん飲まないとな」
「身体にいいからよね」
「あと豆乳もな」
こちらもというのだ。
「いいな」
「豆乳もなのね」
「そうだ、あとミロあるな」
「ああ、あれね」
咲もそれはと頷いた。
「子供がよく飲む」
「あれもいいんだ」
「身体にいいのね」
「お父さんもお母さんも咲によく飲ませたな」
「見ろね」
「あとフレークをな」
この食べものもというのだ。
「朝にも出したな」
「そういえばよく食べたわ」
「あれも身体にいいからなんだ」
「栄養が沢山あるのよね」
「それに牛乳をかけたらな」
咲が今飲んでいるそれをというのだ。
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